月面にスパコンを設置するというアイデア

2012年10月16日 14:15

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記事提供元:スラド

taraiok 曰く、 NASAが深宇宙探査の為に立ち上げた「Deep Space Network」(以下DSN)は、米カリフォルニアやスペイン、オーストラリアに分散してアンテナを置くことで、地球の自転や位置などの影響無しに常に外宇宙の探査機と交信できるようにするシステムだ。しかし、1960年代に設計された施設は老朽化が進んでいる。現在のDSNは地球周回ミッションから太陽系探査まで幅広い宇宙関連のミッションを一手にサポートしているが、人工衛星やプローブ、ロボットなどさまざまな通信が入り交じり、データの帯域幅や取得時間の割り振りで混信が起きており、限界が来ているという(GCNWIREDNewScientistThe Space Review本家/.)。

 これに対し南カリフォルニア大学の大学院生Ouliang Chang氏が、地球にアンテナを置くのではなく、月のクレーターにアンテナとスーパーコンピュータ施設を置き、地球にデータを送信する中継基地を作るというアイデアを出した。必要なデータを月面で整理してから地上に送れば、現在のDSNの渋滞緩和に役立つという。同氏によると、スーパーコンピュータを極に近い寒冷地に設置すれば、冷却問題が解決するだけでなく、効率的な超伝導材料を使用することができるとしている。

 技術・コスト的な課題が多く、荒唐無稽に見えるこのアイデアだが、NASAは興味を持っているようだ。このプランが実現化すれば月面に人間が再び降りるチャンスが訪れるかもしれない。

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