ヘリウムガスをパーティーバルーンに無駄使いするのはやめたほうがいい

2012年9月25日 11:10

印刷

記事提供元:スラド

 danceman 曰く、

 ヘリウムガスをパーティーバルーンの浮揚用ガスに使用するのをそろそろやめたほうがいいのかもしれない。「持続可能な化学」を研究する、Imperial College の Tom Welton 教授の主張によれば、MRI 装置の超伝導電磁石の冷却に使用されているヘリウムガスをもっと大切に使用するべきであるとのこと。ヘリウムガスは天然ガスを産出する際の副産物であり、工業的に生産することができない (BBC News の記事本家 /. 記事より) 。

 ヘリウムガスが今日明日に枯渇するということはないものの、ヘリウムガスが枯渇してしまう前に何か手立てを講じなければ、30 年から 50 年の時間軸の中で、非常に重大な問題が起きるとしている。医療機関で欠かすことのできない MRI 装置に使用される磁石はヘリウムガスによって冷却されている。Welton 教授によれば、パーティーバルーンにヘリウムガスを使用することはヘリウムガスの間違った使い道であり、風船を宙に浮かすのに使用されたヘリウムガスが最終的には大気中に放出されてしまうことに「苛立ちを感じる」としている。

 一方で、英国バルーン協会の Johnson Lee 氏によれば、パーティーバルーンに使用されるガスは医療機関の使用済みヘリウムガスを空気に希釈してリサイクルした混合ガスであるとのこと。パーティー業界が医療業界からヘリウムガスを奪っているということはないと主張している。

 スラッシュドットのコメントを読む | サイエンスセクション | テクノロジー | 英国 | サイエンス | 医療

 関連ストーリー:
HGST、ヘリウムガスを充填した「シールド・ドライブ」を発表 2012年09月15日
これまでで最も重い反物質、反ヘリウムが見つかる 2011年04月26日
紙飛行機、9万フィート上空からの飛行に成功 2010年11月15日
液体ヘリウムを使い AMD Phenom II を 6.5 GHz までオーバークロック 2009年01月28日
大型ハドロン衝突型加速器(LHC)、ヘリウム漏れにより2ヶ月停止 2008年09月22日

 

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連記事