メキシコ湾原油流出事故で流出した原油とガス、20万トン以上をバクテリアが分解

2012年9月16日 18:06

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記事提供元:スラド

danceman 曰く、 2010年のメキシコ湾原油流出事故で流出した原油や天然ガスのうち、20万トン以上が湾内のバクテリアにより分解されていたそうだ(ロチェスター大学のニュースリリースEnvironmental Science & Technologyの記事本家/.)。

これまでの研究により、海中でプルーム状になった原油をバクテリアが分解していることがわかっていた。米国のロチェスター大学とテキサスA&M大学の研究者らは、海中の酸素量変動を測定することでバクテリアによる炭化水素の分解量を試算した。その結果、事故から5か月の間に少なくとも20万トンの原油や天然ガスが分解されたことが判明したという。事故発生後、BP社は大量の分散剤を油井の出口に投入しているが、分解量は分散剤の投入量に連動して増減していたとのこと。分散剤は油を細かい油滴に分解し、生分解を促す目的で使用される。分散剤使用の是非についてはさらなる研究が必要になるが、実際に大きな効果があったものとみられる。

なお、試算によれば事故により噴出した炭化水素の40%が海中に残存するとみられるが、以降は分解が進んでいない。ただし、これらの物質の現在位置や、生化学的に変化したかどうかについては不明とのことだ。

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