KDDIなど3社、NFC活用の次世代電子マネーシステムを共同開発 技術検証を開始

2012年3月7日 12:21

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 ビットワレットとKDDI、大日本印刷は6日、3社共同で、近距離無線通信技術NFCのTypeAプロトコルを用いた、サーバー管理型電子マネーシステムのプロトタイプを開発したと発表した。同プロトタイプシステムは、NFCの次世代電子マネーシステムの研究の一環として開発され、NFC機能搭載のスマートフォンやTypeAカードの非接触IC決済サービスに関する技術検証を3社共同で行った。

 検証の結果、同プロトタイプシステムでは、今後世界各国で普及が見込まれるNFC機能搭載のスマートフォンへの実装が可能であることを確認した。このため、日本と比較して発展途上段階にある海外での電子マネーサービスの普及が、今後期待されるという。

 また、高速な通信環境の整備が進み、インターネットを使ったリアルタイムな情報交換が可能になったことにより、基盤となる電子マネーシステムをサーバー管理型とすることで、加盟店に設置される端末のコスト削減や運用負担を軽減できるという。さらに、顧客に対しては、リアルタイムで購買に応じたポイント提供に加え、利用者層に合わせたクーポンの発行などが迅速に対応できるようになり、さらに利便性が向上する。

 3社は、同プロトタイプシステムの実用性を確認したことにより、電子マネーサービスの利用範囲がネットとリアルを融合したO2O(オンライン・ツー・オフライン)サービスの領域に拡大することに期待を寄せている。

 今回使用したNFC機能搭載のスマートフォンの研究は、昨年6月にKDDIと楽天が業務提携を発表した電子マネーを核とする取り組みの一環でもある。「Edy | au (エディエーユー) 」のコンセプトのもと、今後も共同で新規事業の拡大を検討していく。また、大日本印刷は、NFC機能搭載端末を利用したサービス開発などを積極的に行い、市場の活性化を推進していく。

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