海水を真水に変えるバッテリー装置、開発中

2012年2月15日 12:15

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記事提供元:スラド

 danceman 曰く、

 ドイツにあるルール大学ボーフムの Fabio La Mantia 氏の率いる研究チームが、海水からナトリウム及び塩化物を除去して真水を取り出すバッテリー装置の研究開発を行っている。蒸発や逆浸透膜による従来の海水淡水化技術ではヒーターやポンプに消費される電気が膨大であることが知られているが、同バッテリー装置の開発が成功すれば高いエネルギー効率かつ低コストで真水を取り出すことが実現できるようになると期待される (Chemical & Engineering News の記事本家 /. 記事DOI: 10.1021/nl203889e より) 。

 その仕組みだが、海水中に浸された銀の電極と酸化マンガンのナノロッドに電流を流すと、海水中の塩化物イオンは銀の電極へ、ナトリウムイオンは酸化マンガンへと移動する。次に脱塩化された水を除去し、まだ脱塩化されていない海水を注ぎ込み電流を逆流させて電極にトラップされていたイオンを放出し、塩分濃度の高まった水を除去する、という流れを繰り返すようだ。

 現在の塩分除去率はまだ 50 % であり飲料水としてはまだ塩辛いレベルにあるようだが、同研究チームは行程の自動化と 98 % の除去率を目指しているとのこと。

 詳しくは phason 氏のコメント参照。

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