iBooks Authorの使用許諾契約書、法律違反の懸念を招く

2012年1月27日 15:01

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記事提供元:スラド

danceman 曰く、 Appleの電子書籍作成ツールiBooks Authorの使用許諾契約書(EULA)に対する批判の声が上がっている(本家/.Are Technic a記事)。

 iBooks AuthorのEULAが規定するところによれば、iBooks Authorで作られた書籍の販売はiBooks Storeでのみ行えるとなっている。つまり、Appleが独占的に販売を行うということになる。また、iBooks Authorで作られた電子書籍をiBooksストア上で販売できるかどうかの判断もすべてAppleが行うものとしている。そのためAppleに販売を断られた場合、著者は作品を他所へ持っていくこともできない。せっかく完成させた作品が世に出ることなく埋もれてしまう可能性があるという。

 しかし、米著作権法の下では、独占契約を行うには「著作権の譲渡を行わなければならない」とされているそうだ。さらに、著作権の譲渡には著作権者のサイン入り譲渡証書や覚え書きが必要となる。そのため、Appleの「独占契約を強制する」EULAは法的には無効なのでは、という主張もある。

 また、Litigation&Trial記事によれば、このEULAには抜け道があったようだ。もしiBooks Authorで作品を作った著者がEULAを無視して、書面の契約書を交わすことなく作品を他所で勝手に商的流通させたとしても、Apple社は損失を受けないため賠償請求や著作権使用料の請求を行うことはできないとのこと。

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