「退職で損害」と訴えられたSE、残業代未払いで会社を訴え勝訴

2011年11月4日 18:37

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 辞めたら訴えるぞという話はこの業界ちらほら耳にするが、実際にそれを行った会社が請求を全て棄却され、逆に未払いの残業代の支払いを命じられる判決が31日京都地裁で出された(J-CASTの記事弁護士の塩見卓也氏のツィートまとめasahi.comの記事京都新聞の記事)。

 訴えていたのは京都市のコンピューターシステム開発会社「AdD」で、元社員に対して男性が辞めて会社に残った社員のモチベーションが下がったことなどを理由に約2000万円の支払いを要求。これに対し男性側は、過労死レベルの労働だったにもかかわらず残業代などが支給されなかったとして逆に会社側に約1600万円の支払いを求める反訴をしていた。

 判決では、会社側の請求はすべて棄却。また裁量労働制としながらも、納期やノルマを定められ、ときに営業といった制度対象外の仕事も要求されていたことから、要件を満たしていると認められないとして、残業代については請求通りの1136万円の支払いを命じた。ただし、会社の請求を「濫訴」だとした点や退職の自由の侵害であるとの主張は退けられた。

 同じ業界の一労働者としては、こうした判決が出てくれてほっと胸をなでおろしたところである。

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