人工遺伝子「論理回路」で癌細胞を死滅

2011年9月8日 10:00

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記事提供元:スラド

 danceman 曰く、

 スイスのチューリヒ工科大学 の Yaakov Benenson 教授と MIT の Ron Weiss 教授の率いる研究グループは、細胞に診断用生物学的論理を用いた情報処理を施すことで、癌細胞を検知して死滅させる「論理回路」の構築に成功したとのこと (MIT News Office の記事本家 /. 記事DOI: 10.1126/science.1205527 より) 。

 この人工遺伝子回路は、癌特有に発現する分子的因子を検知することができ、この分子的因子が全て検知された場合のみ遺伝子が細胞死を誘発するタンパク質を生産するのだという。つまり癌細胞にのみ標的を絞って破壊させることができるのだ。また、遺伝子を入れ替える事で癌以外の病の治療にも応用できるとのことで、Weiss 氏はこの回路を「万能な病態検知技術である」と述べている。

 今回の研究では子宮頸癌の HeLa 細胞を見つけるため、HeLa 細胞に大量に発現する 6 つのマイクロ RNA を特定してから、細胞死を誘発するタンパク質 hBax を生産する人工遺伝子を作った。これら 6 つのマイクロ RNA 全てにおいて条件が揃わなければ hBax は生産されず、また人工遺伝子も自然に分解されるのだという。

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