透明リチウムイオン電池の開発、完全透明なガジェットも実現可能

2011年8月1日 11:00

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記事提供元:スラド

  danceman 曰く、

 スタンフォード大学の研究チームが、透明なリチウムイオン電池の開発に成功した (本家 /. 記事Science Debate の記事doi: 10.1073/pnas.1102873108より) 。

 この電池の電極は溝の幅が 35μ程の格子構造に形成されているという。50μ以下のものを見た場合、目はそれを透明だと感じてしまうのだが、電池の活物質を目の視覚限界を下回るほど小さくすることで、透明に見せることを可能にしている。また、整形手術やコンタクトレンズなどにも使用されている廉価なポリジメチルシロキサン (PDMS) を使用することで、費用を従来の電池と同じくらいに押さえることができるのだという。だが PDMS は導電性ではないため、金属を蒸着することで導電性を持たせたとのこと。こうした二つの電極層の間に電解質の層を挟み込んで電池が完成するのだが、これを幾重にも重ねることで高容量で高出力な電池にすることができるのだそうだ。現在のところエネルギー密度は光透過性が 60 % の場合で 10 Wh/L とのこと。加えて、柔軟性にも優れているので、この透明電池は様々な機器に採用されることが期待される。

 透明リチウムイオン電池の開発で、これまで完全透明なガジェットの出現を阻んできたバッテリーの問題が解決される。近い将来、奇抜なデザインのガジェットが数多くリリースされることになるだろう。完全透明なお洒落ガジェットの登場を心待ちにしたいと思う。

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