猿が撮影した写真、著作権は誰に?

2011年7月16日 11:00

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記事提供元:スラド

  capra 曰く、

 受賞歴もある英国の野生動植物写真家、David Slater氏がインドネシア・スラウェシ島北部の国立公園で撮影中、ちょっと目を離したすきに国立公園に生息するクロザルがカメラを奪って写真を撮影したという(Mail Onlineの記事The Telegraphの記事本家/.)。

クロザルの撮影した写真はCaters News AgencyがSlater氏から買い取ったようで、各メディアの報道ではCatersとSlater氏の著作権表記がされている。これについてTechdirtが、「著作権は写真を撮影したクロザルに帰属するもので、Slater氏がCatersに著作権を委譲することはできないはずだ」といった趣旨の記事を写真とともに掲載したところ、Catersから写真の削除を要請するメールが送られてきたそうだ(Catersによる写真情報Techdirtの記事)。

TechdirtのMichael Masnick氏は、著作権者はクロザルであるという点をあらためて主張した上で、記事は写真の著作権に関して述べたものであり、写真の使用はフェアユースにあたると返信した。しかしCatersは、「少なくともMasnick氏が著作権者でないのは明らかで、写真も他のWebサイト(おそらくMail Online)に掲載されたものを盗用している」として、再度写真の削除を要請してきたとのこと(Techdirtの記事(2))。

このニュース、なにより猿の撮影した写真が秀逸なのである。なお、猿はカメラをいじってるうちに偶然電源を入れてしまったそうで、シャッター音が面白かったらしく大量の写真を撮っていたとのことだ。

 写真はピントの合っていないものが多かったとのことだが、シャッター音に驚いて逃げ出した仲間たちも次第に近寄って来たようで、絶滅危惧種に指定されている野生のクロザルを至近距離で撮影した貴重な写真となっている。

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