地球から最も遠く離れたクエーサーが発見される

2011年7月9日 12:30

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記事提供元:スラド

 あるAnonymous Coward 曰く、

 ヨーロッパの天文学者のチームが、ヨーロッパ南天天文台(ESO)の超大型望遠鏡(VLT)とハワイのジェミニ北望遠鏡を使用して、現時点で最も遠くにあるクエーサーを発見した。観測および研究の成果は6月30日号の科学誌「Nature」で発表された(ESOのサイエンスリリースNatureの記事要約AstroArtsの記事)。

クエーサーとは非常に明るく輝き、遠く離れた場所にある天体で、エネルギー源は中心にある超大質量ブラックホールだと考えられている。今回発見されたクエーサーは「ULAS J1120+0641」と名付けられ、中心のブラックホールの質量は太陽の20億倍とのこと。地球からは129億光年離れており、現在観測されている光はビッグバンから7.7億年後、再電離時代の終わりごろのものと考えられる。しかし、現在の理論では超大質量ブラックホールはゆっくりと成長すると考えられているため、ここまで質量の大きなブラックホールがビッグバン後の早い時期に存在したことを説明できないとのことだ。

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