新火星探査車「MSL」、ケネディ宇宙センターに到着

2011年6月28日 13:30

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記事提供元:sorae.jp

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 今年11月の打ち上げに向けて、米航空宇宙局(NASA)の新火星探査車「マーズ・サイエンス・ラボラトリー(MSL)=キュリオシティ」がケネディ宇宙センター(KSC)に到着した。

 「キュリオシティ」を載せたアメリカ空軍のC-17輸送機は6月22日、カリフォルニア州のジェット推進研究所(JPL)を出発し、フロリダ州に到着した。

 「設計及び製造がほぼ終わり、火星に向かう前に、私たちは最終的な試験を開始する予定です」

 「キュリオシティ」の到着を受け、設計マネージャーであるデーヴィッド・グルーアル(David Gruel)氏はこのように述べた。

 今後、「キュリオシティ」はケネディ宇宙センターのペイロード組立施設へと運ばれ、耐熱などの機能試験、フライトソフトウェアの更新、ミッション準備試験などが行われる。

 「キュリオシティ」の打ち上げは元々2009年10月に予定されていたが、ハードウェアの開発及び試験が間に合わなかったため、打ち上げは2011年11月25日、火星着陸は2012年8月に延期されている。

 「キュリオシティ」はこれまで開発されたローバーの中で最も大きく、計10種類の観測装置を搭載し、より大きなホイールを使って、広範囲にわたっての調査ができる。また、太陽電池ではなく、原子力電池を用いることで、季節や砂塵の影響を受けずに活動が可能だという。

 さらに、「キュリオシティ」は従来のエアバッグ方式ではなく、「スカイ・クレーン(Sky Crane)」と呼ばれる新しい方式で火星表面に着陸する。火星大気圏に突入し、パラシュートで減速した後、降下部分(ディセント・ステージ)がロケットエンジンを点火してさらに減速。そして、降下部分が上空約10mの地点で滞空し、クレーンを使って「キュリオシティ」を降ろし、「キュリオシティ」の着地を確認した後、再び上昇し、離れた地点に落下する。

 写真=NASA。

 ■NASA Mars Rover Arrives in Florida After Cross-Country Flight
http://www.nasa.gov/mission_pages/msl/news/msl20110623.html

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