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原油高の損得を見極める相場!心配はダブルパンチ?=犬丸正寛の相場展望
来週(7日~11日)の相場は、『原油高の損得を見極める動き』が強まりそうだ。1バレル・100ドルを突破している原油価格。さらに、このまま上昇が続くならば、という前提ではあるものの、あちこちに、影響が現れて来ることになりそうだ。[写真拡大]
■原油高の影響は国内企業のみならず新興国も
来週(7日~11日)の相場は、『原油高の損得を見極める動き』が強まりそうだ。1バレル・100ドルを突破している原油価格。さらに、このまま上昇が続くならば、という前提ではあるものの、あちこちに、影響が現れて来ることになりそうだ。
原油価格の値上り分を、電気、ガスのように料金値上げで吸収できる産業ならよい。しかし、今の内需不振に見舞われている国内産業界では値上げは、まず不可能だろう。結局、ほとんどの業界においてコストアップとなることが予想される。これは、間違いなく企業業績の頭を押さえる。
一方、原油高の影響を受けるのは、国内企業だけではない。とくに、日本にとって、困るのは、輸出先の新興国が原油高の影響をモロに受けることだ。今の新興国の景気は強いものの、仮に、景気の強さを背景に原油高を製品、商品価格に転嫁したら、強烈な物価上昇を招くはず。日本が過去に経験したオイルショックでトイレットペーパーが品不足となったように。今でさえ、物価高で反政府運動が起きているのだから、今以上に物価高を招いたら新興国の政府はひとたまりもない。
■日本にはコストアップと輸出減のダブルパンチも
そうなったら、新興国向け輸出ができなくなる。これまで、日本は新興国向け輸出で潤ってきただけに、よりどころがなくなってしまう。日本の産業界にとっては、原油高による、「コストアップ」に加え、「輸出」もダメという、「ダブルパンチ」に見舞われる心配がある。
現在では、2012年3月期の日本の企業業績は2ケタ増益の見方でほぼ一致している。しかし、このダブルパンチは、まだ織込んではいない。ダブルパンチが現実となる気配を感じたら、たとえば、大手新聞の1面に載るようにでもなれば、相場は今の位置をキープすることは難しい。これからは、2012年3月期の企業業績に対する情報に耳を研ぎすましておくことが大切である。早めの退散が必要だ。
もちろん、一方で、原油高でメリットを請ける産業の研究も始めておくべきだろう。電力、ガス、鉄道、軽自動車、太陽光発電、風力発電などなど。大事な生活資金を殖やし守るには、多少、神経質くらいの早めがよい。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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