「民主主義」か「独裁主義」かを問いかける相場=犬丸正寛の相場展望

2011年2月26日 13:21

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

日経平均は日足では戻り売りとなったものの、週足では、まだ押し目買いのチャートとなっている。来週(2月28日~3月4日)は、こうした形の中で、『民主主義か独裁主義かを問いかける相場』の可能性を含んでいる。

日経平均は日足では戻り売りとなったものの、週足では、まだ押し目買いのチャートとなっている。来週(2月28日~3月4日)は、こうした形の中で、『民主主義か独裁主義かを問いかける相場』の可能性を含んでいる。[写真拡大]

★強い日本銘柄に物色の芽

  日経平均は日足では戻り売りとなったものの、週足では、まだ押し目買いのチャートとなっている。来週(2月28日~3月4日)は、こうした形の中で、『民主主義か独裁主義かを問いかける相場』の可能性を含んでいる。

  企業のワンマン経営と同じように、独裁者国家においても、右肩上がりの好環境のときは、即断即決で果実を早く手にすることができるメリットがある。しかし、一旦、もたつき始めると、日頃の、社員や庶民の不満があちこちで湧き起こる。ワンマン企業の場合は創業者というケースも多いから失敗しても経営権を簡単には手放なそうとはしない。独裁者国家もまた同様である。

  世界を見渡すと、東西冷戦のあと、旧東側諸国は、独裁体制のまま民主主義・資本主義のいいところ取りをやって急成長した。独裁主義的・資本主義とでもいうものだろう。そのひずみがやってきた。民主主義の中では、人は、競争の結果、格差が生じることは承知している。負けもあるかわりに、自分の努力次第では勝ちもある。しかし、独裁的ワンマンでは、常に、独裁者の一人勝ちである。

  民主主義は時間がかかるしコストもかかる。しかし、独裁的ワンマンが行き詰ったときの支払うコストの大きさは民主主義に比べると非常に大きい。北アフリカの騒動がどこまで広がるか。それによって、世界経済に与える影響度も変わってくる。一部では北朝鮮でもデモの動きがあると伝えられているし、中国も同じような気配が漂っているようだ。押さえ込むことができるのかどうか。

  GDPで中国に抜かれて3位に落ちた日本。しかし、心配することはない。勤勉さと、緻密な研究とモノ作りを忘れなければ強さは発揮できる。部品を集めて、「組み立て」中心で伸びて行くのも方法ではある。しかし、精巧な部品がなくては組み立ても成り立たない。日本は依然、優秀な部品を世界に供給し続けている。だから、貿易収支は依然、優秀である。

  今度の世界的な波乱は民主主義の日本、勤勉な日本を見直すよいタイミングとなったのではないか。日本をマザー工場、研究拠点として、しっかりとやり、その上で海外において根を下ろして行く。日本が真のグローバル展開をしていくうえでよいチャンスだろう。

  今後は、「日本の強さ、優れているところを見詰め直す」相場だろう。こういう目でみれば、日本の「円」が強張っていたことはうなずける。「日本の強い銘柄」を物色する動きが芽生えてくる可能性がある。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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