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食塩過剰摂取による認知症の発症メカニズム解明 藤田医科大
今回の研究の概要(画像: 藤田医科大学の発表資料より)[写真拡大]
藤田医科大学の研究チームが、食塩の過剰摂取による認知症の新たな発症メカニズムを解明した。食塩の過剰摂取で特定のホルモンなどの受容体が相互に影響し、たんぱく質のタウの調整機能が乱れ異常が蓄積。神経細胞の機能を妨げ、認知機能の低下や記憶障害などの症状が現れると分かった。
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研究チームは、アンギオテンシンII-AT1系とプロスタグランジンE2-EP1系のクロストークによって、タウの過剰リン酸化を引き起こすことを明らかにした。
アンギオテンシンII-AT1系とは、血管収縮や血圧上昇を引き起こすホルモン。血管や臓器に存在する受容体に結合して作用する。この受容体の活性化は、高血圧や炎症反応の増強など様々な生理・病態に関与している。
プロスタグランジンE2-EP1系とは、プロスタグランジンE2という物質が結合して作用する受容体の一種。プロスタグランジンE2は、炎症や痛みの調節、血圧調節など様々な生理的な機能に関与している。これらの受容体が相互作用することで、それぞれが制御している生理的プロセスに影響を与えると見られる。
食塩の過剰摂取は、高血圧や認知機能障害のリスク因子とされているが、これまで血圧と認知症の関連メカニズムは不明だった。末梢と中枢の相互作用についても研究が不足していた。
今回研究成果が発表されたことで、今後アンギオテンシンII-AT1系とプロスタグランジンE2-EP1系を標的とした、新しい認知症の予防・治療薬の開発につながることが期待される。
国内の65歳以上の認知症有病率は15%及んでいる。また認知症に対する社会的費用は、2014年において年間約14.5兆円にのぼり、2060年には24兆3,000億円に達すると試算されており、対策が喫緊の課題だ。
だが認知症への薬剤貢献度や治療満足度は、最低ラインに位置している状態だ。認知症の発症の原因には生活習慣なども関わっていると考えられており、高血圧や糖尿病、脂質異常症などが影響していると見られる。日本人の食塩接種労はWHOが提示する目標の約2倍あることから、認知症発症に関連していると推測されてきた。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る)
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