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単身世帯、4割が貯蓄ゼロ 2人以上世帯でも3割がなし
日銀内の金融広報中央委員会の家計金融行動による世論調査によれば、単身世帯の約4割は貯蓄がゼロであり、 2人以上の世帯でも3割が貯蓄がないことが明らかになった。今後は収入の一部を貯蓄するための啓発活動などに力を入れる必要があるだろう。[写真拡大]
日銀内の金融広報中央委員会の家計金融行動による世論調査によれば、単身世帯の約4割は貯蓄がゼロであり、 2人以上の世帯でも3割が貯蓄がないことが明らかになった。2013年の異次元金融緩和によって国内外の株式や不動産を保有していた人、新たに取得した資産額が大きく伸びる一方で、保有資産の少ない人の資産額が伸び悩んでいるのが現状だ。
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同調査によれば、単身世帯での金融資産の有無を尋ねたところ、全体の46.4パーセントが金融資産がないという結果になった。金融資産とは定期性預金・普通預金の区分に関わらず運用もしくは将来のために蓄えているものを指す。預貯金はもちろん、株や有価証券、貯蓄性の保険などが金融資産に含まれる。20代の単身世帯に限れば全体の61パーセント、もっとも割合の低い60代でも37.3パーセントが貯蓄ゼロという結果だ。それに対し、年齢別の金融資産保有額を年齢別に見てみると、20代は142万円、30代が589万円、40代で936万円と年齢と共に上昇の傾向は出ている。金融資産保有額の全体の平均は942万円で前年から120万円増えた。さらに金額順に並べた時に真ん中に来る中央値は32万円で、前年より12万円の増加だ。こうした調査結果から、すでに金融資産を持っている単身世帯は順調に資産額を伸ばしている一方で、金融資産を全く持たず増やすこともできない単身世帯がかなりの数あることがわかる。
単身世帯のみならず、2人以上の世帯でも全体の3割強が金融資産を持っていないと回答している。まだ若い20代の世帯が金融資産を持っていないことに加え、50代の世帯でも全体の31.8パーセントが貯蓄がないという状態だ。2人以上の世帯でも貯蓄の平均値が上昇しているにもかかわらず、貯蓄ゼロの世帯がこれほど多いのは今後の経済に大きな影響を及ぼしえる。高度経済成長期には「一億総中流」が国民意識だった日本において、貧富の差が目に見える形で拡大していることが明らかになった格好だ。今後高齢者が自分の貯蓄で生活できずに生活保護を受けなければならないという状況が起こることが予想される。今後は収入の一部を貯蓄するための啓発活動などに力を入れる必要があるだろう。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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