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トヨタ・カローラはもう大衆車じゃない? 本当に3ナンバー化されるのか?
マイナーチェンジされたカローラ・アクシオ。(写真: トヨタ自動車の発表資料より)[写真拡大]
10月11日に、安全運転支援技術「トヨタセーフティセンスC」を全グレードに標準装備してマイナーチェンジしたばかりのトヨタの11代目カローラであるが、来年2018年にフルモデルチェンジされると噂されている。その12代目カローラが、なんと3ナンバー化されるというのだが本当だろうか?
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■「国民車」を維持するカローラ
1966年の発売以来、世界販売台数が4,400万台を超える勢いのベストセラーである。もちろん日本国内でも、2001年まで33年連続で年間販売首位を誇っていた。現在でも月間販売台数の10位前後にいて、その人気を維持している。その実用性と経済性で、個人はもちろん社用に購入する顧客も多い。長きにわたって買い替え、乗り継いできた顧客が多く、「国民車」そのものである。
2000年に投入したステーションワゴンの「カローラフィールダー」。CMに木村拓哉を起用したおかげで若者世代にも認知され、20~30代の顧客もシリーズ全体の販売台数の60%ほどを占める(2016年末)ようになった。しかし一方で、セダンには高齢化の波が押し寄せているという。
そこで次期カローラは3ナンバー化をして、大胆な刷新を図ろうということなのだろうか。今回のマイナーチェンジはその前哨戦で、3ナンバー化を嫌気する顧客の駆け込み需要を狙っているという憶測もある。
現行の11代目カローラのボディサイズは、全長4400mm、全幅1695mmで5ナンバーサイズである。しかし、海外市場のカローラはすでに全幅が1800mm近くあって3ナンバーサイズであるという。また、トヨタが推し進めているTNGAにより新しいプラットフォームを持つプリウス、CH-R、カムリはすべて3ナンバー。12代目カローラもやはり同様になるといわれているのだ。
■5ナンバーサイズだから「馴染み」
しかし、顧客の動向は重要である。全幅1700mm未満、全長4700mm未満の5ナンバーは、狭い日本の交通事情の中、取り回しのしやすさで顧客のニーズが大きい。だから、5ナンバーサイズのカローラは、不動の「国民車」である。マーケティング的には、そこを外して3ナンバーにすべきなのかは疑問である。しかし現在、市民の経済事情を反映してか軽自動車の販売台数が伸びている中、人気のクルマを3ナンバー化することは、車種ラインナップに穴をあけることになる。当然にその場合には代替の車種を用意しておかねばならない。
カローラを3ナンバーにするとすれば、国際規格に合わせることで車種構成を整理して、生産性を上げる狙いになる。つまり国際規格のカローラを日本国内に持ち込むことになるのだが、カムリの下のクラスとなろうが、その市場はあるのであろうか?どちらにしても国内カローラの車格を上げることになるのであろう。
そこでまた世間の思惑は、新旧モデルの併売の可能性を憶測している。たしかに過去、トヨタはそれを行ったことがある。しかし過去と違うところは、現在はTNGAという企業目標の下で動いていることだ。車種の削減を図って生産の効率化を狙っているところで、「TNGA第4弾カローラ」が新旧モデル併売とはいかにもそぐわない。
ホンダ・シビックも日産・スカイラインも3ナンバー化し、日本人に「馴染み」の車が格上げされる中、企業としての世界基準や効率化も理解できるが、長きにわたって日本人の心の中に刻み付けられた「カローラ」という大衆車を今後も残していってほしいものだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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