正社員の9割近くが副業に興味あり 実際に経験は約3割

2017年6月1日 11:50

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副業に興味がある人は正社員の9割近くに(エン・ジャパンの発表資料より)

副業に興味がある人は正社員の9割近くに(エン・ジャパンの発表資料より)[写真拡大]

 ひと昔前までは、正社員の副業はNGだったが、現政権では労働力不足の補完、収入・スキルアップを目指すために後押ししており、容認する企業側も出てきた。エン・ジャパンが求人・転職支援WEBサイト「エン転職」にて、20~40代の正社員5,584名を対象に「副業」に関するアンケート調査行った。

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 そこで分かったことは、正社員の約88%が「副業に興味あり」と回答していた。その理由は83%が「収入のため」、続いて24%が「スキルアップ」。興味がない人は12%だった。

 実際に副業経験のある人は33%。約3割いるが、具体的な仕事で最も多かったのが「アルバイト(接客・販売・サービス系)」(61%)、第2位「アンケートモニター・ポイントサイト」(20%)、第3位「ネットオークション・フリマサイト」(14%)となった。ネットの普及によってさまざまな業務が場所を選ばず働けるようになったが、ネット副業に関しては「クラウドソーシング」は7%、「シェアビジネス」は1%に留まっている。インターネットで副業している人は少ないのが実際だ。

 副業経験者の回答では、副業にあてた時間は「週に5時間未満」が過半数だった。副業で得られる月の収入額は、半数が「1~5万円未満」、中には1カ月に10万以上稼ぐ猛者もいる。さらに経験者に一歩踏み込んで副業をする際の難しさを質問すると、第1位が「時間管理」、第2位「確定申告などの事務作業」、第3位「本業との切り分け」だった。

 副業の継続性だが、実際にトライしてみて現在も副業を続けている人は38%。マイナンバー制度の導入をはじめ、本業と副業の両立の難しさ、会社に副業がばれたなどの理由で断念した人もいた。政府は副業を後押しする姿勢を見せているが、現状、副業を解禁している会社は19%、禁止されている会社は44%。副業に対する企業側の姿勢はあまり肯定的ではない。

 正社員の副業は本業をこなした後、余力で行うものだが、「本業」「副業」の二刀流を上手に使いこなしている人は少ないのが実情だ。また収入においてもちょっとしたおこずかい程度にしかならず、副業に全力を注ぐことに二の足を踏んでしまう人が多いようだ。年功序列で毎年収入がアップしていた時代は遠い過去になり、何かしら打開策を考えている人も多いだろう。アンケート調査からは副業で給料の大幅アップは難しいことが分かった。個人的な考えだが、自分の好きなことでもう一つ働き口を得ることができれば継続性・スキルアップにつながるのではないかと思った。(記事:久保圭大郎・記事一覧を見る

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