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マグロ資源の危機、止まらない小型魚の乱獲
1月17日、水産庁は太平洋クロマグロの小型魚について定めた漁獲上限に達しつつある2ヶ所の漁獲ブロックに対して、漁獲の自粛要請ならびに注意報を発出した。今回の管理期間の終了まで5ヶ月余りを残しながら、すでに漁獲量が限界に近づきつつある。[写真拡大]
かねてより問題となっている、太平洋クロマグロの乱獲。水産庁の資源管理策の不備などが指摘されていたが、1月中旬に多くの漁獲ブロックで定置網などの沿岸漁法による漁獲高が設定された上限に迫り、漁獲自粛の要請や注意報が出された。
水産庁は1月17日、太平洋南部・瀬戸内海ブロックに属する都府県に対して、30キログラム未満のクロマグロの漁獲を自粛するように要請した。これはブロック別に定められている漁獲上限(243.8トン)の9割5分を超過したことによる措置である。さらに同日、九州西部ブロックに属する県に対しても、ブロック別の漁獲上限(743.7トン)の7割を超過したとして、注意報が出された。
クロマグロは、かねてより小型魚や産卵魚の乱獲による資源の枯渇が問題視されている。そのため平成28年7月より、水産庁が漁獲上限を設定して資源管理を強化しはじめたが、今管理期間の終了となる平成29年6月を待たずして、すでに上限に達しつつある状況だ。
これは2004年から開始された、クロマグロの産卵場での「巻き網漁」に大きな原因がある。産卵のために浮上してくる親魚の群れを待ち構えて、1,000メートル以上もの網で一気に巻き取るのだ。将来のマグロ資源まで刈り取ってしまう漁法でありながら、厳しい規制がかけらなかったため、マグロの漁獲高は年々激減していった。14年時点の親魚の資源量は1.7万トンにまで落ち込み、初期資源量(漁業がない場合に資源が理論上どこまで増えるかを推定した数字)に対し、わずか2.6パーセントとなった。
マグロ資源が危機的な状況になってから導入された、水産庁の資源管理策。しかし、本策の導入以前は漁業者の自主規制にまかせていたためか、乱獲の歯止めはなかなかかからないようだ。「ヨコワ」や「メジ」などと呼ばれるクロマグロの小型魚は、未成熟な幼魚のため脂ノリは良くない。産卵期の親魚は、卵に栄養をとられる上に回遊中は餌を食べないので、身がやせてパサついている。十分に脂の乗った美味なマグロを味わうためにも、乱獲のループを絶つべきではないだろうか。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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