ブラザー工業、カラオケの採点システムを応用した発話訓練システム「スピーチマイスター」を開発

2015年11月11日 15:58

印刷

発話訓練システム「スピーチマイスター」の概念図(ブラザー工業の発表資料より)

発話訓練システム「スピーチマイスター」の概念図(ブラザー工業の発表資料より)[写真拡大]

 ブラザー工業は9日、通信カラオケの採点機能で培った技術を応用した発話訓練システム「スピーチマイスター」を開発したと発表した。鉄道業界での車内や駅構内アナウンスなど、スピーチ(発話)を行う業界全般を対象として開発したもので、今年9月からJR西で近畿圏在来線の車内放送練習用として導入されているという。

 「スピーチマイスター」は、同社が通信カラオケ「JOYSOUND」の採点機能で培った「音声解析技術」や「採点技術」、「モチベーション維持手法」などを応用した、スピーチ(発話)が上達するセルフトレーニングシステム。手本となるスピーチと練習者のスピーチを比較して採点を行う。従来のアナウンス練習では、熟練者から直接指導を受けたり外部の講師に指導してもらったりしていたが、同製品を使用することで、指導者がいなくても自分の成長度合いを確認しながら練習を行うことができる。

 利用の流れは、まずは提供される手本データ作成ツールを使い、熟練者の実際のスピーチを録音した手本データを作成する。そのデータを基に、練習者の発話の抑揚と音量をリアルタイムにグラフで表示。可視化することで、手本データとの違いが一目でわかる。練習終了後には、抑揚、音量、速度、滑舌、間の取り方の5項目を手本データと比較して得点を表示する。

 練習は、パソコンにインストールした専用アプリ上で行う。手本データや練習の履歴は、ブラザーが運営するクラウドサーバー上に保管されており、管理者はツールを使用してアカウントの付与や、手本データの登録などを行うことができる。また、ラウドサーバーを通したサービスの提供により、ランキングによる競争や過去の練習結果の履歴の確認も可能だ。

 製品仕様は以下の通り。
 対象OS:Windows 7、推奨ディスプレー解像度:1366×768ドット以上。推奨メモリー容量:4GB以上(2GB必須)、推奨プロセッサー:Core i5以上(Celeron以上必要)、HDD容量:1GB以上必要。Internet Explorer 8および11に対応し、使用にあたっては上り1Mbps以上/下り4Mbps以上のブロードバンド環境(有線接続推奨)が必要。(記事:町田光・記事一覧を見る

関連記事