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理研、太陽光エネルギーを水素としてして貯蔵できるシステムを開発
自然エネルギーを用いた自立型のエネルギーシステムの概念を示す図(理化学研究所の発表資料より)[写真拡大]
理化学研究所の中村振一郎特別招聘研究員・藤井克司客員研究員らの研究チームは、太陽光エネルギーを水素として貯蔵する、安価で簡便なシステムを構築することに成功した。
近年、太陽電池の分野では、エネルギー変換効率に優れた機器・装置の開発が進み、各地で太陽光発電設備の導入が進んでいるが、タイムリーかつ安定的なエネルギーが供給できていない。この問題を解決するためには、エネルギーの貯蔵方法が重要な鍵となる。
今回の研究では、「軽い」「長期間保存できる」「使用時に排出されるのは水だけ」という様々なメリットがある水素に着目し、太陽電池と水分解電気化学セルを用いた水の電気分解の技術を組み合わせて、太陽光エネルギーを水素として貯蔵するシステムを開発した。
そして、フレネルレンズを用いて太陽の位置に合わせて効率よく集光できるタンデム型太陽電池を使用したところ、光エネルギーから水素エネルギーへの変換効率が12.2%になること、タンデム型太陽電池を2個直列、電気化学セルを3個直列に並べることで太陽電池の最大出力電圧と電気化学セルの動作電圧が近づくようにすると、エネルギー変換効率が15.3%まで向上することが分かった。
今後は、実用的なシステムとするために、太陽電池-電気化学セルというシステムの中核部分だけでなく、水素貯蔵法や、全体を流れるエネルギー、電流、水、排熱のロスといった周辺部分の最適化なども行うことが期待されている。
なお、この内容は「Journal of the Japan Institute of Energy」に掲載された。論文タイトルは、「Hydrogen Generation Using Electrochemical Water Splitting via Electricity Generated by Nature Energy」。
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