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地球深部の岩石中に中性水素原子が存在する可能性が明らかに
石英とスティショフ石の結晶構造。石英がケイ素と酸素の四面体(SiO4)から構成されるのに対し、スティショフ石は八面体(SiO6)から構成される。それぞれ、ケイ素は4配位と6配位であり、上部マントルと下部マントルにおけるケイ酸塩に特徴的な構造である。今回、石英だけでなく、スティショフ石の小さく異方的な空隙(白色部分)に、ミュオニウムが存在することが明らかになった(東京大学などの発表資料より)[写真拡大]
東京大学の船守展正准教授らによる研究グループは、ミュオン・スピン回転法を用いて、石英の高圧相鉱物であるスティショフ石に注入されたミュオンの状態を調べ、それが電子1個を束縛したミュオニウムとして格子間位置に存在することを発見した。
ミュオンは陽子の軽い放射性同位体として、物質中の陽子の状態を模擬する粒子であり、ミュオニウムは中性水素原子(H0)に相当することから、スティショフ石中の格子間位置に原子状態の中性水素が存在する可能性が示唆されている。石英はケイ素と酸素の四面体(SiO4)から構成されるが、スティショフ石は八面体(SiO6)から構成されている。
今回の研究では、ミュオン・スピン回転法を用いて、石英の高圧相鉱物であるスティショフ石に注入されたミュオンの状態を調べたところ、石英だけでなく、スティショフ石の小さく異方的な空隙(白色部分)に、ミュオニウムが存在することが分かった。
今後は、本研究成果が地球深部の水素循環のメカニズム解明に繋がると期待されている。
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