9月に10回目の社名変更:カーチスの中計推移を見守りたい

2024年8月4日 17:56

 カーチスホールディングス(東証スタンダード。カーチスHD)。中古車の買取・販売大手。中古トラックのリースバック事業も手掛けている。

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 そんなカーチスHDの社名は9月、レダックスに変わる。1987年12月にエイジーエイとして設立されて、レダックスは実に10回目の社名変更となる。その背景には資本の論理が色濃く反映されている。社名変更はこんな具合だ。

 オートガーデンアソシエーション/ジャック/ジャック・ホールディングス/ライトドアオート/カーチス/ソリッドグループホールディングス/カーチス/カーチスホールディングス。

 カーチスHDでは「いまさら・・・」とするだろうが、例えば「ライブドアオート」への変更は私の記憶には痛々しく残っている。

 2005年9月にライブドアがジャックHDの株式を取得。2006年元旦にライブドアオートに社名を変更した。がその僅か2週間後「ライブドア事件」が表面化した。

 ライブドアが実質的に支配していた投資事業組合が、買収企業の株を買収しライブドアの収益としていた。買収企業からの架空売り上げによる利益も計上していた。とされる粉飾決算である。

 元社長で現在も実業家であり、各種評論も行っている堀江貴文氏は「事実無根」とし最高裁まで上告したが有罪が確定した。カーチスHDは2006年8月1日にライブドア色を一新するため、社名をカーチスに変更した。

 現在のカーチスHDは、収益回復過程にある。コロナ禍の影響継続で2023年3月期は「営業損失5億1000万円、5億2600万円最終赤字、2円減配無配」と厳しい状況が続いたが、前24年3月期は「0.1%増収、9800万円営業黒字、7300万円最終利益、1円復配1円配」と立ち直る流れに入った。

そして今3月期は「4.9%の増収(200億円)、180.6%の営業増益(2億7500万円)、160.3%の最終増益(1億9000万円)、1円増配2円配」計画。

 至26年3月期の中計も「売上高305億円(23年3月期190億5800万円)、営業利益10億円(5億1000万円の損失)、純益7億円(5億2600万円の赤字)」を掲げている。「不採算店のスクラップ&ビルト、大型販売店舗10店出店」をその背景としているが、リースバック事業(運送事業者から買取した車両をグループのファンドに売却。カーチスHDが運送事業者にリースする)の軌道化も一因といえる。

 本稿作成中の時価は160円台。5月の195円から調整を入れ戻り基調。中計の進捗具合がPBR0.71倍を意識させるとみるが・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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