東亜DKKの高橋社長は、今後に前向きな姿勢を示した その内容とは

2024年8月4日 17:46

 Zoom取材で東亜ディーケーケー(6848。以下、東亜DKK)の高橋俊夫社長の話を聞き、質問する機会を得た。主催媒体から参加の打診を受けた時「今2025年3月期計画が12.9%の営業減益」であり、至今期の中計が結果的に「未達状況」という情勢に興味を覚えた。減益予想下で「要因・今後の解決策」を掌握していない限り、IRの席にトップは立たないだろうと考えたからである。

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 東亜DKKは、各種計測機器を世に送り出している。我々の生活とも密接。例えば「浄水場・下水処理場の水質管理」「発電所のボイラー水の管理」「工場の生産・品質管理や排水処理」「家庭の水道水の水質監視」「医療施設の人工透析液の安定供給」「自治体の河川・海・大気の汚染監視」等々で活かされている。高橋社長は、「水質系では30%方、大気系では50%方、透析治療向けではトップシェアを有している」とした。
 
 高橋社長に今期の減益計画の何故、対応策を問うた。こんな答えが返ってきた。

 「ここ数年、営業利益率は10%を維持しており、売上高180億円なら通常は19億円程度の営業利益だが、今期特有の経費(新棟建設に伴う什器類や引っ越し費用、DX、投資、人件費増)で4~5億円の経費増を見込む。

 また、中国市場の落ち込みも大きな1つの要因となっている。周知のとおり当社は米国ハック社と2005年に業務資本提携を実施している。ハック社との協働で中国市場に参入した。が中国市場の排水監視用計測器の需要は、中国経済減速の影響で一時的に停滞している。

 一方で中国は半導体関連の拡大を国策としている。ハック社とも半導体製造に不可欠な原水・回収水監視計器、純水製造管理用製品への注力による巻き返す方向で一致している。並行し市場が着実に拡大しているインドネシア、インドなどに積極策を打っていく」。

 「今年6月には狭山インテグレーションセンターが竣工した。開発部門と生産部門の緊密な連携を目指し、東京エンジニアリングセンターの応用分析計の設計・製造機能を移転統合する。シームレスな開発と生産を実現し、生産性向上・コストダウン、開発期間短縮による競争力強化を図る。どのくらいの時点で具体的効果があるかは、断定はできないが相応の貢献を期待している」。

 「2025年度を初年度とする次期中計で、次なるステップである売上高200億円を目指す体制を整備していく」。

 そして東亜DKKでは、安定個人株主づくりとも積極的に取り組んでいる。浮動株確保の対応として、政策保有株の3分の1を手放して頂いた事例もあり、「今後も前向きに取り組む」、「増配基調の堅持」(高橋社長)とした上で「株主優待策(保有株数に応じたQUOカード)の拡充は大変効果的だった」と語った。

 取材時点の時価は850円、予想税引き後配当利回り2%弱。2月の年初来高値1057円から4月の同安値820円まで調整後の、小戻し場面。ちなみに過去9年余の修正済み株価パフォーマンスは45%水準。まずは高橋社長の言(収益動向)を待ってみるのが賢明か・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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