2030年に総店舗数1000店を掲げる、鳥貴族の強い足元

2024年7月16日 08:47

 7月11日に共同通信が『鳥貴族、地方出店加速 東名阪浸透、30年千店へ』と題する記事を配信した。要約すると「鳥貴族は東京・名古屋・大阪の大都市圏に集中的に展開をする戦略を進めてきたが、飽和状態に。2022年以降・宮城・福岡県など9道県に初進出。競合店がひしめく地域も売り上げ好調。が650店舗程度で横ばいの国内店舗数を、2030年に1000店を目指す構想だ」という内容。

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 鳥貴族等を運営する鳥貴族ホールディングスは今年5月、エターナルホスピタリティグループ(東証プライム。以下、鳥貴族)に社名を変更した。

 鳥貴族もコロナ禍では手痛い状況に晒された。2021年7月期は「46億6200万円の営業損失、無配転落」、22年7月期は「24億3300万円の損失、4円配復活」。がその後の戻りは角度を伴ったものになった。

 「23年7月期は14億1700万円の営業利益、6円増配10円配」。そして今7月期は「19.5%増収(399億6400万円)、31.3%営業増益(18億6100万円)、10円配」計画で立ち上がった。株式市場からは、多少なりザワツキが起こった。2020年7月期から24年7月期の中計で「売上高450億円、営業利益率8%」を掲げていたからだ。

 「コロナ禍を潜ってきたことを勘案すると・・・」とする見方があった。が3月8日時点で上方修正を実施。「22.6%の増収(410億円)、112.5%の営業増益(30億1200万円)、営業利益率7.3%、2円増配12円配」を新たな通期予想とした。

 上方修正を株式市場は好感した。8日(金)の終り値4510円/出来高24万2700株に対し週明け11日には、4565円/70万3900株と反応した。ちなみに開示済みの第3四半期の実績は「売上高:新計画比75.4%、営業利益:89.6%」と、利益の上振れ期待を示している。23年8月から今年6月までの既存店売上高は前年同期比100割れゼロ、累計で123.9。

 鳥貴族は1985年に創業者社長の大倉忠司氏により、東大阪の焼鳥屋:鳥貴族として生まれた。ホームページには鳥貴族の名前の由来が「顧客を遺族扱いにする(大切にする)」と記されている。当初から商品は全品均一価格:250円(現在は370円均一)。

 今後の株価動向を占う意味では2030年:3000店に向けた店舗数動向がカギを握ろうが、本稿作成中の時価3900円は3月25日の年初来高値4950円から微調整場面。ちなみに過去9年半余の修正済み株価パフォーマンスは3倍水準。3000店時の収益を先取りして、中長期構えも一法か・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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