ウエルシアとツルハが経営統合協議入りへ、ドラッグストア業界の巨大連合誕生
2024年3月4日 17:42
イオンは2月28日、イオン傘下でドラッグストア業界1位のウエルシアホールディングス(HD)と、2位のツルハHDが経営統合に向けた協議入りすることを明らかにした。実現すれば売上高2兆円を超し、業界で他を圧倒する巨大連合の出現となる。
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イオン、ウエルシアHD、ツルハHDの3社は28日の取締役会で、資本業務提携契約の締結を決議し、同日付で契約を結んだ。イオンは既に所有する13.6%のツルハ株に加え、香港の投資ファンドが所有するツルハ株を買い付けるなどして、ツルハHDを連結子会社にする。ツルハHDは株式交換などでウエルシアHDを完全子会社にして経営統合する。ツルハHDはイオングループのドラッグストア、ヘルスケア事業の中核になる。
ウエルシアHDとツルハHDの経営統合は、店舗網の効率化や商品開発力の強化を目指してイオンが主導した。組織体制や統合の手順は今後、詰める部分もあるが、イオンは2027年までに統合を終えたい意向。
ウエルシアHDは2023年2月期決算の売上高が1兆1,443億円。「ウエルシア薬局」、「コクミン」など多様なブランドで約2800店を展開している。ツルハHDは2023年5月期の売上高が9,701億円。「ツルハドラッグ」、「くすりのレディ」など多彩なブランドで約2600店を開設している。
ドラッグストア業界は国内市場が飽和状態といわれ、2021年にマツモトキヨシHDとココカラファインが経営統合するなど、再編が進んでいる。売上高、店舗数で他を圧倒する巨大連合の出現により、再編の波が加速しそうだ。
ただ、巨大連合といっても時価総額でいえば、首都圏や京阪神の中心部に店舗網充実させている業界3位のマツキヨココカラ連合と大差がない。業界4位のコスモス薬品も地方や郊外で圧倒的な強さを示して急成長しており、イオンが覇権を握ったといいにくい面もある。(記事:高田泰・記事一覧を見る)