銀河は超大質量ブラックホールから生まれた? 米ジョンズ・ホプキンス大らの研究

2024年2月15日 10:52

 無数にある銀河の中心には、ほぼ必ず超大質量ブラックホールが存在する。これが銀河の進化に多大な影響を及ぼしてきたこと間違いないが、詳細は不明だ。

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 米ジョンズ・ホプキンス大学は7日、超大質量ブラックホールと銀河の関係に関する新しい説を公表した。従来超大質量ブラックホールは、銀河の中で誕生したと考えられてきたが、実は宇宙では最初から超大質量ブラックホールと銀河の卵の両方が共存しており、互いに影響を及ぼしあいながら現在の姿(銀河の中心に超大質量ブラックホールが存在している姿)になったという説だ。

 この研究は、ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の卓越した光学性能で、より遠くにある天体の光を捉え、精密な分光分析が可能になったことから行われたものだ。サンプル数としてはまだ不十分ながら、宇宙誕生から様々な年代の銀河の形態分類が可能になり、銀河やブラックホールの進化のシナリオを推定できたという。

 132億光年以上離れた銀河は、中心に超大質量ブラックホールがあり、科学者の予想よりもはるかに明るいものの、恒星数はそれほど多くなく、大部分がガスだ。

 125億光年から132億光年にある銀河は、超大質量ブラックホールを有し、ほとんどが半径500光年程度(天の川銀河の直径は約10万光年)で小さく、中心部の恒星密度が非常に高い。また超大質量ブラックホールは、宇宙誕生直後、つまり137億光年付近の遠方宇宙でも既に存在していた。

 これらの観測事実から、宇宙誕生から約1億年後には超大質量ブラックホールが存在し、そこに銀河の卵にある膨大なガスが吸い込まれ、ブラックホールからはアウトフローが噴出、それが冷えて星が大量に生まれ銀河になった。それ以降(宇宙誕生から約13億年以降)は、星の形成速度が弱まり、より大きな銀河へと成長していったというシナリオが導かれた。

 研究チームでは、おそらく今後1年以内に、この説の妥当性が検証できるレベルの観測データが集積されると予測している。

 なお今回の研究成果は、Astrophysical Journal Lettersに掲載されている。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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