あらたが、「日用品卸最大級」と称される理由を紐解く
2024年1月6日 09:53
あらた(東証プライム)。日用品卸の最大手クラス。「約1200社から、約10万アイテムを仕入れ。ドラッグストア/スーパー/ホームセンターなど約3500社・約4万5000店に卸している」。「物流拠点は7支社を軸に、32拠点の物流拠点を整備」が業界最大クラスとされる背景。
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「全国の小売業のPOSデータを元にした独自の分析ツール:アームスによる年代別・商圏別等分析を行う専門部隊を設け、営業部隊に情報を提供している」「各月の催事・イベントを1年:52週ごとに提示、新商品情報は3カ月前に発信」。「物流2024年問題」に対しては、トラックの労働時間にカウントされる待機時間削減のため「入荷予約システム」を導入している。
収益動向は堅調。2021年3月期「4.7%増収、23.5%営業増益、10円増配95円配」。22年3月期「2.8%増収、10.6%営業増益、26円増配121円配」。前23年3月期「4.0%増収、0.5%営業増益、15円増配136円配」。
今3月期も「2.7%増収、6.9%営業増益、30円増配166円配」計画で始まり、昨年11月7日に「4.1%増収(9280億円)、16.3%営業増益(149億円)、27.7%最終増益(105億円)」通期予想を上方修正した。同時に1月1日を発効日に1対2の株式分割も発表した。こと株主対応でも前向き。昨年11月8日から同30日に、自社株5万4000株(3億4200万円強)を取得している。
継続した成長性については、至26年3月期の中計に自信が示されている。目標として、「売上高1兆円(23年3月期比12.16%増)、経常利益200億円(同46.2%増)、ROE10%台(同8.3%)」が掲げられている。
昨年大納会の終値は3110円、予想税引き後配当利回り。昨年高値3240円(11月10日)の調整場面。この限りでも押し目買い姿勢での投資妙味は感じるが・・・、過去10年間の修正済み株価パフォーマンスは3.84倍。前記した株主対応の前向きな姿勢を勘案すると、中長期保有:資産株の魅力も覚える・・・。
時価のPER:10倍強に割高感は感じられない。同時に0.99倍まで回復基調のPBRに注目したい。四季報・新春号の材料の見出しは【PBR対策】。前記の株式分割に加え「24年11月まで60万株、30億円上限に自己株買い」と記されている。かっこうな株価刺激材料と言えるのではないか・・・。(記事:千葉明・記事一覧を見る)