多様な店舗メンテ企業:シンメンテHDの強み 10年間の株価パフォーマンス4.6倍

2024年1月5日 10:23

 シンメンテホールディングス(東証グロース。以下、シンメンテHD)。飲食業を軸にドラッグストアや介護施設など、広範に店舗のメンテナンスを手掛けている。

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 2021年2月期は18.4%の営業減益/9円減配15円配と落ち込んだが、その後のコロナ禍からの復活ぶりには目を見張らされる。

 営業増益率・配当でみると「31.3%、4円復配19円配」「16.5%、4円増配23円配」。そして今2月期も「7.4%増収(208億3600万円)、5.5%営業増益(11億1100万円)、3.9%最終増益(7億1400万円)、23円配」計画で立ち上がり、第2四半期をそれぞれ前年同期比「15.6%増収(114億4000万円)、22.7%営業増益(7億5200万円)、22.2%最終増益(5億100万円)」で通過。通期予想の上方修正に期待を持たせている。

 シンメンテHD自体は店舗メンテナンスサービスの市場を、5000億円と想定している。23年2月期の売上高を当て嵌めると、市場シェアは約4%。IFIS目標平均株価の算出者の一人は「強気」の理由を「糊代(のりしろ/ゆとり)がある」とする。そう指摘される理由はビジネスモデル、特長に求められる。

 『全国の店舗・施設からのメンテナンスの依頼を、コールセンターで受け付ける。緊急メンテナンスサービスが約88%。予防メンテナンスサービスが約12%。前者については依頼の種類、地域、内容などに応じてオペレーターが全国のメンテキーパーの中から事業者を手配する。24時間365日体制』。

 『・・・』に出てくるメンテキーパー、予防メンテナンスサービスがシンメンテHDの特長(強さ)の源泉。

 前記したが、メンテの対象は介護施設にも及ぶ。通常の店舗とはメンテナンスの在り様が当然、異なる。適応できるメンテキーパー(委託先協力業者:全国に6800超)の確保が不可欠である。

 予防メンテナンスについては「Pメンテ(計画修繕)」のための、「メンテナンス道場」を開設している。過去に蓄積したメンテナンスサービスデータを駆使し、顧客に計画的・予防的な「点検・整備・分解洗浄」等を提案するサービスだ。突発的な故障を減らすことで、顧客の休店リスクを減らす。メンテナンス(ビジネス)の機会を犠牲にしかねないが、顧客の信頼の醸成に繋がっている。

 シンメンテHDの進化への積極策は止まらない・・・。昨夏、日菱インテリジェンスから「業務用エアコンの洗浄ロボット事業を譲受した」などは象徴例・・・。

 本稿作成中の時価は1400円台半ば、予想税引き後配当利回り1.26%。IFIS目標平均株価1960円。配当&株主優待策(ジェフグルメカード:全国約3万5000店での使用が可能:単元株主500円)を拠り所にジックリと押し目買い構えもよし。過去10年間の修正済み株価パフォーマンスは約4.6倍。さて・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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