太陽中心にブラックホールが存在する可能性 イリノイ州立大らの研究

2023年12月19日 16:24

 宇宙に無数に存在する銀河の中心には、超大質量ブラックホールがある。つまり宇宙には、少なくとも銀河の数だけブラックホールがある。また個々の銀河の中には、数千億個の恒星があり、それらの一部はやがて恒星質量ブラックホールになる運命にあるため、超大質量ブラックホールの数をはるかに超える恒星質量ブラックホールが存在することになる。

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 これらはとてつもない質量をもつブラックホールの例だが、最近では一部の科学者らによって、宇宙誕生直後に無数の原始ブラックホールが生まれた可能性も示唆されるようになった。しかも原始ブラックホール質量は、小惑星程度でもよく、より身近な場所に存在するかもしれないと考えられている。

 イリノイ州立大学、イエール大学、マックス・プランク宇宙物理学研究所の科学者らは、太陽中心にブラックホールが存在する可能性を検証した論文を、科学論文投稿サイト「arXiv」で公開した。

 研究では、原始ブラックホールが宇宙のいたるところに存在する前提で太陽が原始ブラックホールを捉えた場合、どんなことが起こるのかについて言及している。

 例えば原始ブラックホールが、太陽質量の10億分の1(=地球質量の約3000分の1)の場合、太陽がそれを捉えた直後には、太陽活動に大きな影響を与えることはないが、5億年以内に太陽はこのブラックホールに飲み込まれてしまうという。

 太陽質量の1兆分の1未満の原始ブラックホールを太陽が捉えた場合には、太陽は複雑な進化過程をたどるという。現在考えられている赤色巨星への進化は起こらず、より小さく温度の低い星(論文ではred stragglerと表現されている)に進化する。

 恒星が原始ブラックホールを捉えた存在を、ホーキング星と呼ぶ。それらは恒星地震学の理論で存在を確認できる可能性があるが、太陽観測データからは、太陽中心にブラックホールが存在する可能性は極めて小さく、もし存在するとしてもその質量は非常に小さいことが推定されるという。だが宇宙のどこかでホーキング星の存在が確認される日は、近いのかもしれない。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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