理工系が求められる時代 高専生・女性理工系学生の味方:メディア総研とは
2023年11月24日 08:42
就活市場は売り手市場、とされる。その一方で「理工系需要の高まり」が指摘されている。マイナビキャリアリサーチLabは、24年春の新卒内定率(10月時点)をこう発表している。「理系女子91.2%」「理系男子86.8%」「文系男子86.0%」「文系女子83.0%」。ある種、時代の流れを象徴しているとも受け取れる。
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メディア総研(東証グロース)。高専生や地方の理工系大学生向けに、就職活動イベントの企画・運営を手掛けている。2021年9月上場だが今年3月、創業30周年を迎えている。1993年3月に現社長の田中浩二氏が「進学情報誌」を発行、36歳で起業した。
失礼ながら、上場のタイミングがいささか悪かった。(対面形式の)合同就職説明会を開こうにも、コロナ下はその機会を蝕まざるを得なかった。それは収益動向に顕著。
2022年7月期は「15.6%増収、2.2%営業増益、4.4%最終減益」。23年7月期に入り「24.7%増収、10.9%営業増益、7.7%最終減益」、ようやく回復基調。前7月期をメディア総研では、こう振り返っている。
「厚労省及び総務省によると23年7月の有効求人倍率は1.29倍、完全失業率は2.7%。新型コロナウイルス感染症前の数値には戻っていないが経済活動・社会活動の活性化に伴い・・・」と環境の好転を指摘した上で、「高専生と参加企業が共有する『高専プラス』の効果が寄与・・・24年3月卒業予定の高専生のうち就職予定の約8割にあたる約5000人が登録するなど、高専生向け就職活動イベントの開催に欠かせないツールとなった」。事業展開にも「理工系ツール」が効果を発揮するようになった、という次第。
高専プラスは、情報ナビサイト。企業の採用データや企業の説明動画、高専OB・OGの紹介など様々な情報の掲載が可能。また大学・大学院への進学を希望する向きには、そのための情報も掲載されている。
メディア総研では、事業拡充にも積極的な姿勢を示している。高専生のスタートアップ支援に向け、クラウドファンディング企業と提携。転職関連では、高専ネットワークを介した人材情報の訴求にも注力している。
本稿作成時の株価は1600円台前半。1月の年初来安値1150円から7月の高値1897円まで買われ、調整場面。予想PER9.70倍と割安感あり。一方、信用取引の取組は売り残0株に対して買い残3万6800株と人気も底堅い。(記事:千葉明・記事一覧を見る)