中堅ゼネコン:高松グループは、埋蔵文化財発掘・調査でも20余の実績
2023年11月14日 16:57
TVや新聞で時折「遺跡発掘現場」の映像・写真を目にする。どんなキャリアの企業が取り組んでいるのだろう、と興味を持った。「遺跡発掘企業を担う企業」で検索した。一覧、と出会った。が未上場会社揃い。しかし中で、「耳にしたことのある企業」を見つけた。島田組。歳のせいか数日後になって突然、頭の中にフッと高松コンストラクショングループ(東証プライム。以下、高松グループ)の名前が浮かんだ。
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キッカケは青木あすなろ建設が今春、ある不正から15日間の営業停止になったことだった。あすなろ建設は中堅ゼネコン:高松グループの中核をなす1社。高松グループを調べた。その際にグループの1社で「埋蔵文化財の発掘調査・保存(実績:20余件)」を手掛ける島田組を知った。
高松グループは傘下に高松建設(商業ビルや賃貸マンションを手掛ける)を初め、青木あすなろ建設やみらい建設工業(海上土木・建設)など中軸6社を中心に、19社を擁する実に多面的なゼネコンである。
改めて、高松グループの今を覗いてみた。
2022年3月期は経済停滞の中、減収減益を余儀なくされた。が63円配(配当性向32.6%)を維持した。翌23年3月期は増収増益基調に転じ、7円増配70円配(32.4%)。そして今3月期は、「20.4%の増収(3400億円)、24.6%の営業増益(150億円)、6.2%の最終増益(80億円)、7円増配77円配(33.5%)」計画。開示済みの第1四半期も、「8.6%増収、107.0%営業増益」で通過している。
今後についても「拡充基調」の姿勢を示している。至2025年3月期の中計も目標を、こう掲げている。「受注高4200億円(23年3月期比16.7%増)、売上高3700億円(23.3%増)/ともに3期連続過去最高」、「営業利益110億円(61.8%増)/2期連続過去最高」。
本稿作成中の時価は2800円台前半、予想税引き後配当利回りは2.2%水準。年初来の株価動向は1月6日の1895円を底に2月中旬以降右肩上がりに転じ、10月27日に年初来高値2890円へ。時価は高値ゾーン。
がIFIS目標平均株価は「割安」とされ、3400円。割安とされる要因には、時価のPBR0.78倍(埋めの期待)も含まれようが・・・。高値ゾーンの押し目待ち姿勢に徹し、「PBR1倍回復期待」を含めた3000円台への移行を待つのが賢明だろうか・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)