再上場を果たしたスカイマークの足元は・・・、株式市場の評価は・・・
2023年10月28日 16:09
株式市場に帰ってきてから、かれこれ1年近くになる。スカイマーク(旧スカイマークエアラインズ、グロース市場)。振り返ると、発足した1996年11月は日本の航空業界の大きな転換期だった。
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周知の通り「航空運賃制度の規制緩和」が引き金。言い換えれば「航空業界の自由化」の流れの入り口である。新時代への参入第1号として名乗りを上げたのがスカイマーク。一方で「格安航空機運賃」に先鞭をつけ時代の流れを変えようとしていた企業に、HISがあった。スカイマークはそんなHISの澤田秀雄社長らが出資し飛び立った。
スカイマークは「割安運賃」を武器に、東証1部にまで昇った。が、先発航空会社が黙って見過ごすわけもない。2015年に民事再生手続きを余儀なくされ、証券市場からも姿を消した。
再上場を果たしたのは、2022年12月。詳しくは他に譲るが、この間には自由化時代を出資という形でバックアップしたHISも幾多の波を掻い潜ってきた。澤田氏も取締役会長として経営の一線とは、距離を置いている。
スカイマークを位置付けると「羽田空港発着が強みの、国内3位の中堅航空会社」。さて再上場の同社の今後は、どんな展開となるのか。こと株価に関しては再上場初値1272円に対し、現時点のIFIS目標平均株価は1512円。算出者の5人中4人が「強気」、1人が「中立」のスタンスを示している
要は収益動向だろう。再上場前期の2022年3月期は38.4%の増収も「166億9400万円の営業損失、67億2900万円の最終赤字」。が23年3月期は「79.6%増収、営業利益34億5300万円、純益57億2600万円、5円配」。そして今3月期は「20.8%増収(1023億円)、62.2%営業増益(56億円)、1.3%最終増益(58億円)」計画。が第1四半期は「売上高221億5600万円、営業損失14億3600万円、最終赤字9億9300万円」という状況。
今後を見通すために、前期決算の実情を覗き込んでみた。
<<定時運航率5年連続第1位。22年度JCSI(顧客満足度指数)/国内長距離部門第1位。第4回日本サービス大賞交通大臣賞受賞>>
<<羽田発着枠政策コンテストで羽田⇔宮古線の運航継続が25年3月まで認められた。25年度から省燃費のボーイング737MAXシリーズ導入>>
<<当該年度の運航便数は5万4199便と、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた前年に比べ19.5%。運航便数の増加に伴う航空燃料費や空港使用料の変動費負担増で営業利益は34億5300万円(前年度166億9400万円の損失)・・・>>
と前向きさを示している。
株式投資の対象としては、とりあえずはジックリ構えるべきか・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)