赤外線・超音波センサーで世界トップ級:日本セラミックの配当性向は50%超
2023年9月28日 08:35
日本セラミック(6929)。赤外線センサーで国内9割/世界6割のシェアを有する。かつ超音波センサーでも世界首位級。
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前者は、我々の身近な生活商品でも活躍している。例えばエアコン。人や床の表面温度を検知し、快適空間に調整する機能を果たしている。また住宅や店舗では、人の動作を感知しながらライトを点灯する・・・といった具合。
後者は、車向けの需要が高い。車を停止し低速で駐車場スペースに移動する際に、人や障害物を検知し安全な駐車操作を補助してくれる。EVのバッテリーの充放電を正確に計測し、効率アップをはかる。車内への侵入者を検知する。座席ごとの温度を計測し、車内の温度制御を補助するetc。
そして日本セラミックは、株式投資家にとってもかっこうな優しい?施策を実施している。好配当性向。
2020年12月期、同社も御多分に漏れずコロナ禍に晒され厳しい経営状況を強いられた。が前期と変わらず70円配当を維持し、配当性向は85.2%。その後も100円配(90.4%)/125円配(60.7%)。今12月期は6.6%増収、14.9%営業増益も「最終利益は25.3%の減益」。
配当性向は税金・特損計上などで変動が生じる、最終益の影響を受ける。今期の25.3%減益予想は、中国江蘇省の電子機材子会社(昆山日セラ電子機械)リゾート開発のため区画整理の対象になったのが要因。補助金は出たものの、生産停止の損失との兼ね合いで発生する費用を特損計上せざるを得なくなった結果だ。100円配に減配。が、配当性向は62.9%。
高配当性向の背景は・・・無借金という好財務に加え、着実に積み重ねてきた利益剰余金(23年3月末時点で280億円余:今期の営業利益予想の約5.8倍)。よく、「利益剰余金を貯めこむばかりでなく新たな成長投資に充当すべし」とする批判がある。が同社の場合は当たらない。前期の20億円余に続き、今期も23億円水準の設備投資が予定されている。
さて、そんな日本セラミックの株とどう付き合うべきか。本稿作成中の時価は2500円台終盤、予想税引き後配当利回り3.1%余り。3月9日に年初来高値2830円をつけた後、2500円を挟んだ調整含みの揉み合いが続いている。がIFIS目標平均株価は3233円と、先高期待を示している。
ちなみに過去10年余保有していると、修正済み株価のパフォーマンスは56%強。押し目を作っている時価水準で配当を堪能するか、長期保有姿勢でいくのか・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)