大幅増益基調に戻ったマミヤ・オーピー、次の稼ぎ頭は紙幣選別機
2023年9月8日 09:01
マミヤ・オーピー(東証スタンダード。以下、マミヤ)。パチンコ・パチスロ周辺機器が主力。総売上高の3分の2水準を電子機器が占める。
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8月15日付の企業・産業欄に『パチンコ・パチスロ機器大手:マースグループHDの大幅増収増益の理由』と題する原稿を投稿した。中でパチンコ・パチスロ関連市場について矢野経済研究所の「市場規模が依然として厳しい業界環境に変わりはないが、コロナ禍などで極端に縮小した市場に(2021年度は)一定の底打ち感が示された。更に今回の調査では、次世代スマート遊戯機が好調な稼働推移見せたこともあり高い期待感を示している。パチンコホール側からすると、スマート遊技機の導入の遅れが商圏での序列に影響を与える可能性が否めない」とする見方を記した。
従い今回はマミヤの収益動向と、先入観なく対峙できた。2021年3月期は「8億6600万円営業損失、14億9400万円最終赤字、25円減配25円配」という状況に晒された。が翌22年3月期は「5億1000万円、6億3400万円に黒転、25円復元増配50円配」、そして前3月期は「33.6%増収、268.8%営業増益、213.3%最終増益」と急回復。
今期も「38.2%増収(220億円)、16.8%営業増益(22億円)、9.4%最終減益(18億円)」計画。第1四半期は前年同期比「133.8%増収、475.8%営業増益、126.8%最終増益」と、計画上振れを感じさせる立ち上がりとなった。
背景を前3月期決算期の決算発表時にマミヤは、「22年11月に市場に投入されたスマートパチスロ、23年4月のスマートパチンコに積極的に取り組み・・・」としている。
また今後に関して「好環境が待ち構えている」と、強調もしている。周知の様に2024年に紙幣改刷(1万円札の顔が福沢諭吉から渋沢栄一にetc)が予定されている。不可欠な商品が、紙幣識別機(自動販売機や現金収受機など紙幣を受け入れる機械の内部に取り付け、その真贋を判定するための処理装置)。マミヤの電子機器部門における主力商品の一角である。
ライバルメーカーも少なくない。が、相応の「自信」を示している。「例えばカメラや釣り具など売り上げ減というトレンドを見抜き、新事業に転換してきたのも当社の強み」と発信しているが、紙幣識別機なども・・・ということか。
本稿作成中の時価は1600円台半ば、予想税引き後配当利回り2.37%余。昨年終盤から今年3月の1750円台超まで水準を上げ6月の1305円まで調整、8月に1832円まで買い直された後の微調整場面。1倍割れPBRも徐々に切り返し0.85倍。純資産は昨年度末で40億円強増え165億円余りの水準。さて・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)