流通時価総額倍増でプライム維持を図る、ソルクシーズの強気は実現するか
2023年7月4日 07:57
月刊投資雑誌からソルクシーズ(東証プライム)のZoomミーティングに参加しないか、との誘いを受けた。2つ返事で「宜しく」と即決した。
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SBIホールディングスが筆頭株主の、金融機関を主軸に実績を残しているシステムインテグレーション事業の大手の一角である。是非に参加したいと思った背景は主に、以下の2点だった。1つは業績の推移。1つは「仮住まいの東証プライム市場を本物の住処に出来るか否か」だった。
2022年12月期は半導体不足に加え、会計基準変更もあり「0.5%増収、6.9%営業減益、46.8%最終減益」を余儀なくされた。対して今12月期は「15.8%増収(162億円)、21.5%営業増益(12億5000万円)、33%最終増益(7億.5000万円)」計画。そして開示済みの第1四半期の進捗率は中間期予想比「売上高:50.8%、営業利益62.8%、純益1.04倍」。
秋山博紀社長に同席した執行役員 荒木斉経営企画室長は、「第1四半期としてはいずれも過去最高(純益には保有株の売却益:特利が計上)」とした。「売り上げ増に伴う営利増、という認識でよいか」という問いには、「ご理解の通り」と首を縦に大きく振った。
質疑応答に先立ち秋山社長が行った企業説明で印象的だったのは、「グループの成長企業」に対する強気の姿勢。グループ企業の詳細はホームページでご確認頂くとして、次の企業への説明に秋山氏の熱を感じた。
「ノイマン:自動車教習所向け各種ソリューションの提供、Webマーケティングに関するコンサル・企画」。「エクスモーション:自動車・医療機器メーカー等へのソフトウエアエンジニアリングを活用した実践的コンサル」。「アスウェア:ICTインフラの企画・構築・保守」。「フリークドライヴ:ファイル共有で業務を変える、チームを繋げる企業向けクラウドストレージの提供」。「eeK:eスポーツ特化型マッチングサイト運営、eスポーツに関するコンサル・エージェンシーサービス」。
これらの注力部門がソルクシーズのここからの成長を牽引するとし、「エスアイヤーorSlerチャー(IT機器のシステム開発だけではない)」ともした。
秋山氏に問うた。「お話しの注力分野の収益動向を、どう想定しているのか」。また「ソルクシーズはいま、AIとの取り組みを重要課題と公言しているが具体的な方向は」と。返ってきた答えは、「遠からず、具体的に発信する予定」。
記した質問は東証プライムを住処とするための要因と、大きくかかわってくるからである。
22年12月末時点の流通株式時価総額は50億1000万円。これを100億円に引き上げなくてはならない。最も肝心なのは株価の大幅伸長。まずは秋山氏の言「具体的な発信」を待ちたい。(記事:千葉明・記事一覧を見る)