予想ROE10.5%、自己資本比率89.6%の学習塾:ステップは今期連続10期増配計画
2023年4月27日 16:33
ステップ(東証プライム)。四季報【特色欄】を借用すると、「神奈川県中西部軸に学習塾:ステップ運営。県立トップ高校受験に強み。横浜、川崎地区を攻略中」。小中学生部門・高校生部門・学童保育部門からなる。前2022年9月期末の生徒総数は、3万3000人超。
【こちらも】自己資本比率62.6%、ROE予想30.0%のトヨクモを、野村證券出身の山本氏が起業した契機
だが正直なところ決算資料を読み込んでいると、ステップには語弊があろうが「いささかうんざり」が偽らざる実感。「神奈川県の学力向上重点高5校に競合各塾の3倍以上となる◎◎◎人を」「東京大・一橋大・東京工業大学の現役合格者は◎◎◎人に」等々、大手進学塾の「広告文句」そのものの内容。
また新設のステップジュニアラボについては「そういう時代なのか」とは思いつつも、遠い遥か昔に「小3~小6」を終えた身としては「ホッ」とした。「算数検定教室」「漢字検定教室」「小5英語教室」「英語検定クラス」「英会話クラス」がその中身。
ただステップで使用する教材は原稿の作成から一貫して自社で手掛けている点には、感心した。プロの学習塾の証し、と捉えるからだ。
また収益動向の推移等は、好調さを実感する。2021年9月期の「19.3%増収、81.9%営業増益、84.0%最終増益、5円増配45円配」に続き前9月期も、「4.2%増収、4.2%営業増益、3.7%最終増益、1円増配46円配」。
そして23年9月期も「5.9%の増収(144億5600万円)、5.6%の営業増益(38億6200万円)、4.1%の最終増益(26億6800万円)、2円増配48円配」と、過去最高純益連続更新・10期連続増配計画。配当に投資の軸足を置く外国人投資家の持ち株比率が、20%近いのも頷ける。
そして例えば前記のように「新機軸」の塾を開設し収益拡大を図ろうという場合に、「自己資本比率」が22年12月末で89.6%と高い点は、優位に働こう。今後の事業展開を進める上でかっこうな状況といえる。かつ前期末の10.8%、そして今期予想のROEが10.5%というのも「儲け上手な企業」を示しているといえる。
少子化時代という現実は今後マイナス要因とならないのか、だからこそ少ない子供にかける金が増えるということなのか。
時価1900円台入り口(予想税引き後配当利回り2%)は、年初来高値水準。過去10年間の株価動向は、調整済みベースで2.3倍強のパフォーマンスを残している。押し目買い姿勢で好配当率を享受しながら中長期保有が賢明なのか・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)