ニュージーランドの中古車市場で踏ん張る:オプティマスGの足元

2023年4月4日 08:22

 オプティマスグループ(東証スタンダード。オプティマスG)。ニュージーランド向けに、中古の日本車輸出を手掛けている。同時に輸出に関連する業務を子細に展開している。

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 何故ニュージーランドに、の理由を知り「なるほど」と納得させられた。最大の要因は「ニュージーランドは日本同様に左側が走行車線」であり、「右ハンドル」の車が主流という点。オプティマスGではいま第2の市場として、同様に「左車線・右ハンドル」のオーストラリアの開拓に注力している。

 収益動向は2021年3月期には、コロナ禍の影響で35%という大幅な営業減益(8億6400万円)に落ち込んだ。が、前22年3月期は「82.7%増収、255.2%営業増益、166.8%最終増益、30円増配46.7円配」と、大きく切り返した。そして今3月期も「17.5%増収、17.2%営業増益、8.4%の最終減益、昨年4月の株式分割(1対3)を勘案すると実質増配53円配」と、順調な計画で立ち上がった。

 だが昨年11月14日の時点で計画を修正。売上:26.3%増収(575億円)と最終利益は5.7%減益(24億円)に上方修正。が、営業利益は4.2%増(32億円)に下方修正した。その背景をオプティマスGでは、「物価高騰に対する継続的利上げ」「中古車に対する環境規制」を要因として挙げ「そうした事情を織り込むことを企図したもの」と説明した。

 中古車に対する環境規制は、中古車の総輸入量規制を孕む。対しては「実績・差別化」で応対し得るというニュアンスが感じられる。

 問題は21年10月に始まった金融引き締め動向だろう。ニュージーランドの中央銀行は10会合連続で政策金利を引き上げ、今年2月の引き上げで4.75%と10余年ぶりの高水準となった。中銀は引き締め措置について「23年内の5.0%でピークアウト」という姿勢を示してはいるが・・・

 外国に足を張り事業展開する以上は当然、といってしまえばそれまでだが・・・。ただオプティマスGには強みも有している。中古車の仕入れ・清掃整備・検査検疫・通関業務・輸入車車検・中古車ディラーの態勢整備を一貫して自社グループないで手掛け、かつディラー・エンドユーザーへの金融も担っている。

 昨年来高値1253円(8月)から同安値700円台半ばまで調整、本稿作成中の時価:900円台半ばは戻り過程。予想税引き後配当利回り4.47%。着目したいのはPBR0.81倍。記した様な厳しさを抱えながらも22年3月末146億5100万円だった純資産を、今期第3四半期末で163億5600万円に増やしている点。戻り基調の株価はその当たりを反映しているのだろうか・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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