高齢者向け食事・食材で伸長態勢を整えた:シルバーライフを株価も評価している

2023年3月30日 08:59

 シルバーライフ(東証プライム)。高齢者向け食事・食材を、FC向けを主軸に販売している。開示済みの2023年7月期第2四半期で、FCは975店舗。

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 前22年7月期は、11.6%の増収も「33.1%の営業減益、26.4%の最終減益」。だが前期の減益が持つ意味は大きい。25年には団塊の世代が後期高齢者となる。高齢者社会はピークを迎える。シルバーライフが籍を置く「高齢者向け食事」市場も、更なる拡大期に突入する。

 前期はそうした時流に備えた「態勢作り」の仕上げを行った。その上で今期入りしている。今期は、「13.2%の増収(127億円)、24.7%の営業増益(7億円)、36.9%の最終増益(5億5000万円)、15円の初配当実施」計画で立ち上がった。

 態勢作りとしたのは、「21年3月栃木工場が稼働を開始し、群馬工場との2工場体制」になったこと。そして22年3月の「加須(埼玉県加須市)物流センター」の稼働開始などを指す。前者では売上拡大に伴う製造原価増に加え、減価償却費・租税公課が増加。後者も減価償却費の発生に加え、立ち上げに伴う一時的費用増で販管費率が高まった。

 3月10日、今期の中間期決算の発表会がZoom方式で行われた。結果は前年同期比「10.4%増収(60億1500万円)、33.6%営業増益(4億1700万円)、24.6%最終増益(3億1700万円)」。

 Q&Aでは、清水貴久社長の「生真面目ぶり」が遺憾なく発揮された。質問に対して「プラス」要因ばかりでなく「マイナス」要因も具体的に言及した。例えば至25年7月期の中計目標「売上:168億円、営業利益:17億円」についても、「目指して努力していく」といった具合。

 悪戯気が頭をもたげた。現在の商品は「まごころ弁当」「配食のふれ愛」「宅食ライフ」の3ブランドだが、高齢者施設向けを軸に「きくばり弁当」「冷凍弁当」を新発売した。

 「商品の開発・発売に際しては清水さんも試食するのか」と聞いた。「試食する。が、商品化は、スタッフが決める。私は食いしん坊だから何を食べても美味しく感じてしまうので・・・。ただ、マイナスの反応が一定率あった場合は反故にする」とした上で、「万人に気に入ってもらえる弁当を、掲げてはいません。6割から7割の方の口に合うものを思考している」とピシャリ。

 市場動向調査などを手掛ける:シード・プランニングによると、『高齢者/病者向け配食サービス市場』は2019年で、約1800億円。これが25年には2162億円規模に拡大すると予想されるという。シルバーライフにとっても、まさに正念場と言える。

 株価はどう評価しているか。本稿作成中の時価は2000円出入り。昨年来安値955円(昨年1月)から2050円(同12月)まで買われ、調整・揉みあい場面。IFIS目標平均株価2323円。清水氏の真面目さを買うのもありか、と・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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