中計で「平均営業増益率35%」「配当性向50%超」「14期連続増配」を謳う青山財産とは!?

2023年3月28日 08:15

 青山財産ネットワークス(東証スタンダード、青山財産)の高収益力に触れ、羨ましいが「悩める富裕層」の存在がいかに多いかを痛感させられた。青山財産は富裕層の資産運用や相続などのコンサルティング、運用商品の組成を手掛けている。かつ顧客層拡大に向けた、不動産取引の推進にも注力している。

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 日頃私は「好」収益という記し方をする。が、今回は敢えて「高」収益とする。前2022年12月期まで5期間の収益動向を確認すると、「うん」と頷いて頂けると思う。

 2018年12月期の33.9%の営業増益以来20年の19%減益を挟み、5期間の平均営業増益率は21.68%。19%減益が「コロナ禍」の影響に晒された結果は、断るまでもないだろう。が、減益下でも1.5円の増配を実施し18年12月期の19.5円配に対し前期末は35円配。

 今23年12月期は「9.9%の増収(395億円)、25.5%の営業増益(33億円)、16.8%の最終増益(19億8000万円、過去最高益更新)、3円増配38円配」計画。また進行中の至24年12月期の3期間の中計でも、「平均営業増益率約35%」「配当性向50%超」「14期連続増配」を掲げている。

 青山財産に詳しい斯界のアナリストの多くが「結果が全て」としながらその「強み」を、こう指折り数えた。

 「財産コンサルで唯一の上場会社。安心感、信頼感が高い」

 「専門家集団。公認会計士、税理士、不動産鑑定士等々国家資格を有するスタッフが100名を超えている」

 「長年に培ったノウハウ、知見に基づいた独自システム『アートシステム』を有する。円滑な経営承継、財産承継、相続税納付資金確保、財産の運用と保険、まさかへの備えの多面的な検証・判断の上運用の提供が可能」

 「資産を守る選択肢として、低空室率・安定利回りから注目度の高い東京都心のオフィス不動産対象に、1口1000万円から投資できる『アドバンテージクラブ』を展開。斯界のマーケットシェアでトップ」

 指摘を頭に入れ、前期決算を具体的に食してみた。

★富裕層取り込みの入り口となっている『アドバンテージクラブの組成』は、284億9000万円と大幅増。提携金融機関が40超に拡充している点が、全国の富裕層と繋がる上でポイント。アプリでクラブへの申込・契約・分配金通知・決算報告・運用状況確認が完結。

★土地有効活用コンサルで首都圏の未活用不動産に対する提案において、メガバンクと地銀の2行と連携を開始。

★事業承継ファンドは1件の投資回収と、2件の新規投資が完了。背景には100を超えるM&Aブティックの存在がある。

 財産コンサル事業売上(62億400万円、前年度比11.9%増)⇔不動産取引売上(297億4700万円、59.4%増)が、巧みにリンクしている。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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