収益・株価動向は好調そのもの:クリアルに死角はないのか!?
2023年3月16日 15:38
クリアル(東証グロース)。1万円から投資可能な、不動産クラウドファンディング(CF)事業を展開している。
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2022年4月上場の新顔。が、初の決算発表となった22年3月期の「48.2%増収、70.6%営業増益、243.2%最終増益」に続き今3月期は、「51.2%の増収、5.2%の営業増益、16.0%の最終増益(連続最高益更新)」計画。そして昨年12月27日に「51.2%の増収(160億円)、53.0%の営業増益(4億800万円)、57.0%最終増益(2億700万円)」に上方修正。手元の四季報の業績欄が【再増額】の見出しを振っているのも頷ける。
勢いは、今年第1弾のニュースリリースにも窺える。『CREAL75号「(仮称)CREALロジスティクス東京鹿浜」ファンド満額申込にて受付終了』。対象物件は東京都足立区の倉庫ファンド。クリアルでは「投資対象として需要旺盛な物流施設ファンドであり、10億円超を90分未満で調達した。想定利回りは年利4.8%(インカムゲイン2.5%、キャピタルゲイン2.3%相当)、想定運用期間2年」と立て板に水。
かつ、まだ言い足りないようにこれまでの実績に関し「累計調達額253億円、運用終了ファンド54。運用終了ファンドについては、全て元本割れすることなく出資金の償還がなされている」と言い及んだ。
一方的な言い分でないことは、日本マーケティングリサーチ機構の発表にも「勢い」は裏付けられている。「累計調達額、2年連続NO1」「2022年9月末で調達額200億円突破」「想定利回り3~8%」etc。
株価も勢いを反映しているように見ることができる。930円の公開公募価格に対し、昨年4月28日の初値は1600円。6月20日の973円まで調整も、その後再急伸。今年1月13日の2259円まで買い進まれ、時価も2237円と高値圏。
ではそんなクリアルに死角はないのか。株価は「なし」と言っている感があるが、あえて2点付記しておきたい。
「コロナ禍の影響に一巡感」が指摘される、ホテルもDFで展開してきた。クリアルでは「稼働率が低下していたホテルや商業施設が回復基調にある」としている。
だが国民の人流に加え、インバウンドの本格化という峠は越えられるのか。また投資家サイドから見た時、「金利動向の不確実さやドル・円動向の微妙な現状」は今後どう影響してくるのか。内部留保の3倍以上となる有利子負債の重さが影響してくる懸念も、捨てきれない。(記事:千葉明・記事一覧を見る)