今期予想ROE21.6%&配当性向50%:儲け上手&株主に優しい、ビューティ花壇の@葬儀とは

2023年3月1日 08:27

 ビューティ花壇(東証スタンダード)。生花祭壇の企画提案・制作・設営事業が主軸。前2022年6月期で総売上高の55%超を占めている。

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 周知の通りコロナ禍を潜り抜ける過程で、最もその在り様が変わったものに葬儀が指摘される。「家族葬」に象徴されるように、小型化の流れだ。その影響がビューティ花壇にも及んだことは21年6月期の「営業損失(2700万円)」にも、見て取れる。

 だが前期から回復基調。「9.5%増収、1億300万円の営業利益計上、8円53銭配実施」。そして今期も「5.0%の増収(61億5000万円)、6.1%の営業増益(1億1000万円)、2.58円増配11.11円配」計画。

 その限りでは、即投資妙味を覚える企業ではないかもしれない・・・。ただ本稿作成中の時価は290円弱。昨年来安値(22年3月:247円)~同高値(7月:318円)と限られた値域で動いている。取り組みやすい、とも言えようが・・・。

 ただそんなビューティ花壇を調べたいと思ったキッカケは、びっくりさせられた今期の配当性向だった。22年6月期の配当性向:40%もさることながら、今期の予想は50%。時価の予想税引き後配当利回りにしても3.1%水準。

 インカムゲインの在り様も、株式投資の重要な要因。加えると減少傾向が指摘される中での、株主優待策。グループ企業が手掛ける「胡蝶蘭」「生花アレンジメント」「プリザーブドフラワー」など2万円相当の花の購入割引券。100株で割引率30%も「花好き」には魅力的か!?

 また前期のROE19.4%、今期予想21.6%という「儲け上手」のシグナルにも惹かれた。前期の決算資料を読み込んでみた。

 厚労省の統計を引き合いに「21年の死亡者数は143万9000人と、高齢化社会を背景に増加傾向にある」、経産省の調査を示し「葬儀業の21年7月から22年5月までの取扱件数、売上高ともにコロナ禍初期の緊急事態宣言した前期と比較すると増加傾向」とした上で「が、参列者の減少や葬儀規模は縮小」と説明。

 しかし生花祭壇事業は「6.1%の増収(32億4600万円)、32.7%の営業増益(3億2272万円)」と、しっかり盛り返している。その要因として、新たなビジネス展開をあげている。

 @葬儀。一口で言うと、オンライン葬儀。「葬儀機能+供花サービス(前記のグループ企業:生花卸しを活用)+相続相談サービス」の予算に応じた葬儀社への販売である。詳細はHPに譲るが、導入した葬儀社が具体的に@葬儀を「新しい葬儀の在り様を象徴していると捉えている」と語っている。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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