介護業界の老舗:ケア21が標榜する、「総合福祉企業」のいま

2023年2月10日 08:24

 ケア21(東証スタンダード)。関西を地盤に在宅介護や、老人ホームなど施設介護を展開。介護保険法施行前の1993年に進出した老舗。目下、関東圏にも注力。また社をあげて「総合福祉企業」を標榜している。

【こちらも】ケア21は、重心児を含む障がい児向け放課後デイサービスも展開

 ケア21が目指す総合福祉企業とは、どう理解すればよいのか。「なるほど」と感じさせる施策を紹介するニュースリリースの量が、いま急増している。

 例えば1月31日付では『口の健康から健康寿命をのばす オーラルフレイルセミナー』と題するレポート。1月22日に大阪公立大学医学部付属病院/歯科・口腔外科医師:中原寛和氏が、自らの専門領域から講師として指摘したセミナーの概要を伝えている。内容を要約すると、こんな具合だ。

◆平均寿命に対し<健康寿命>は、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」。対して平均寿命と健康寿命の差:健康でない期間の状態を、<フレイル(虚弱)>という。

◆フレイルの要因の1つに、咀嚼機能の低下がある。「柔らかいものなど、食べやすいものばかり食べる」⇒「噛むために必要な筋力が弱くなり、食べることに対する意欲が低下」⇒「栄養状態の低下」。肝心なのはまずオーラルフレイルの予兆への気づき。「活舌低下」「わずかの、むせ・食べこぼし」「噛むことができない食品の増加」等が該当する。

◆多少なり思い当たる点があれば、食べこぼしを避け、嚥下を促す機能チェック訓練。「パ・タ・カ」を連続して10秒間に発音する。回数が増えていくことは改善への道程となる。それぞれに機能チェック・改善への働きがある。「パ」は、食べ物を口からこぼさない唇の動き。「タ」は、上あごにしっかりくっつく(食べ物を押しつぶす・飲み込む)下の動き。「カ」は、誤嚥せずに食べ物を食道へ送る筋肉の働き。といった具合。

 確かに、食べ物をしっかり摂取できることは健康寿命の大きな要因である。

 また同じ31日には、『情報発信で社会貢献を。介護以外のご相談にも寄り添う、ケア21主催「家族の和と笑顔」を第一にした相続セミナー』とするレポートが配信されてきた。

 介護業界に22年間従事し、日々利用者・家族に寄り添う中で相談の多かったトピックをテーマに、一般の人も参加可能な無料セミナーを企画。1月21日、税理士・行政書士・宅地建物取引士である吉田博一氏を講師に行った、「相続に関する無料セミナー」の概要とケア21の今後の取り組みが記されていた。

 介護業界の老舗は、新たな歩みにも強く踏み出している。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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