宇宙から突然飛来する火球の正体、迅速に解明 ロンドン自然史博物館

2023年1月17日 07:50

 火球とは流星の中でも非常に明るく輝くものを指す。流星群の中でも火球が出現しやすいものがあり、年末に出現し、3大流星群の1つに数え上げられる双子座流星群はその典型だ。

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 流星群の一部として出現する火球は、予め出現しやすい位置や時刻が分かっているので観測準備を整えることも容易だが、何の前触れもなく出現する火球も多い。気まぐれな火球でも、現在はその素性をかなり詳しく迅速に解明できる時代になっている。ロンドン自然史博物館は、1月9日にイギリス上空に出現した火球の追跡解明事例を公開している。

 火球出現は、イギリス現地時間の1月9日20時ごろで、無数の目撃談や撮影画像、映像がネットに公開された。研究者たちはそれらを集めて、非常に迅速な解析作業を進めることができたという。

 解析結果の詳細はイギリス流星ネットワークアーカイブで公開されている。火球の軌道要素に関する回帰分析結果や実際に火球が通過した軌跡に関する具体的な情報が、明らかにされている。この火球は隕石として地上に落下することはなかったが、インターネットやソーシャルネットワークの普及したおかげで、様々な観測データを迅速に収集分析が可能になったことを研究者はむしろ喜んでいるという。

 火球観測のために膨大な予算をかけ、観測網を整備することは非効率だ。だが予算をかけずに、一般市民が偶然撮影した画像や映像に簡単に研究者がアクセスできる現状は、観測の在り方をドラスティックに変えてしまった。またこれらの情報ネットワークは隕石落下地点を推定して絞り込み、実際にそこに出向いて捜索する活動にも応用可能で、落下隕石の発見取りこぼしの防止にもつながる。

 火球の巨大なものは大隕石で、人類滅亡の脅威をもたらす危険性を秘める。他方ではそれを回避する技術も開発されつつある。1月19日午後10時からNHK・BSプレミアムで60分にわたり最先端情報が放送されるので、興味のある人は視聴してみてもいいだろう。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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