マテハン世界一: ダイフクの下へ上への修正に揺さぶられたが・・
2022年12月13日 08:47
ダイフク(東証プライム)は、いわゆるマテハン事業を内外で展開している(海外の売上高比率65%余)。製造拠点や物流拠点の原材料から完成品までの移動を手掛ける機器・システムの、コンサルから企画・制作・施行・アフターケアを提供している。その範囲は広い。物流センター・倉庫や半導体・FPD工場、自動車工場等は頷けるが最近では納骨堂などもその範疇だという。
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前期まで過去10期間に限ってみても、8期増収・9期営業増益の優良企業。そんなダイフクの収益動向に、今3月期は揺さぶられた。
「10.3%増収、12.2%経常増益、10.4%最終増益、15円増配105円配」計画で立ち上がったが、第1四半期開示早々に中間期予想を増収率は据え置きも「営業増益率を35.3%から18.1%、経常増益率を36.3%から21.7%、最終増益率を32.9%から22.1%」へ引き下げた。通期計画は据え置き。
「人件費高騰、過年度の付加価値税等を計上した結果」と説明したが、明らかに期初想定の積算時に「織り込んでおける」事柄。株価が年初来高値1万50円(1月)から10月中旬の6570円まで右肩下がりのトレンドとなったのも、「株式市場の小言」であろうか!?
そして中間期開示と同時に11月8日、今度は通期予想を増額修正した。「13.2%の増収(5800億円)、13.4%の営業増益(570億円)、12.6%の経常増益(577億円)、11.5%の最終増益(400億円)」。上方修正のヒントを探そうと、第2四半期の決算情報に「目を皿にした」。が、窺えるのは好調さだけ。
<半導体・液晶生産ライン向けや空港向けシステムが前年同期比で大きく伸長したほか、自動車生産ライン向け、一般製造業・流通業界向けシステムが順調に推移。結果、受注高は前年同期比49.7%増、売上高は14.1%増。・・・・・人件費等の高騰の影響は受けたものの、受注高・売上高・営業利益・経常利益は第2四半期として過去最高に・・・・・対米ドル・中国元・韓国ウォンの為替変動により、受注高約344億円・売上高約150億円・営業利益約7億円、それぞれ増加した>といった具合。
改めてダイフクに「通期上方修正の理由」を問うた。返ってきた答えは「通期の受注高予想を従来の6300億円から7100億円に修正。アジア及び日本で半導体・液晶生産ライン向けシステムが好調なこと、及び円安に伴う為替差益を反映させたのが主因」。納得。
2024年3月期に至る進行中の中計は「売上高6000億円(5月13日に5400億円から上方修正)、売上高営業利益率10.5%」を掲げている。営業利益率2桁は評価に値する。
通期上方修正後の株価は10月中旬の6570円から戻り基調に転じ、時価は7100円台。予想税引き後配当利回り1.2%弱。IFIS目標平均株価8911円。素直に「辛抱」が肝要なのだろうか!?(記事:千葉明・記事一覧を見る)