独禁法違反:ソラスト、森羅万象を映す株価も未だ反映しきれずにいる!?

2022年11月22日 08:18

 ソラスト(東証プライム)の独占禁止法違反問題を、改めて考えてみたい。周知の通り10月17日、ソラストと他の1社が公正取引委員会から「独禁法違反」の認定を受けた。詳細は省くが認定の対象となったのは2015年3月9日以降の、20病院の医療業務に関する不正受注。

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 ただソラストは公取委から、課徴金減免制度の適用を認められた。違反内容を公取委に自主報告した結果だ。ソラストでは認定の経緯を、こう明らかにしている。

 「2018年8月:内部通報。外部法律事務所による社内調査開始」-「同年11月:不適切行為の確認。調査結果を公取委に報告。及び課徴金減免制度適用申請。その後随時、追加報告」-「19年5月14日:公取委の立ち入り検査。状況を適時開示」-「2022年10月17日:公取委による違反行為認定」。

 「不正行為の隠蔽」を組織的に図る企業の「犯罪」が少なからず、表面化している。そうした現状を鑑みるとソラストの執った措置・手順は、企業のコンプライアンスを遵守している範疇と捉えることが出来よう。要は世の中が同社の株主が、更には「世の森羅万象を映し出す」株価がどういう姿勢を示すかだ。

 ソラストは今3月期を、「8.9%増収(1277億円)、7.3%営業利益(67億8000万円)、14.2%最終増益(40億円)」計画でスタートした。対して中間期実績は「651億4000万円、31億2000万円、18億5200万円」とまずまず。

 9月期末の「訪問介護利用者数:前年同期比1.1%増」「デイサービス利用者数:0.3%増」、「施設利用者数:2.7%増」と上々。下半期に向けても「通期修正なし」で始まっている。正式に独禁法違反が認定された後も「影響なし」の構えと見ることが出来る。

 株価動向はどうか。いささか気になる点もある。

★信用取引動向: ここにきて信用取引の取り組みに、微妙な変化が見られる。買い残:14%強減少に対し、売り残が13%近く増えている。

★2016年6月29日の上場初値で買い本校作成時点まで保有していると、修正値ベースでパフォーマンスは2倍強。6年半近くとしてはそれなりの値上がり。が、2021年の高値1681円に対し、安値は1155円。それが2022年は高値1261円(1月)に対して安値(6月)630円と、弱含みに転じている。

 ただ、IFIS目標平均株価は1395円。算出を手掛けたアナリストの4人に3人が強気、1人が中立。

 相場は「ここからの業績動向次第」と言っているのだろうか!?(記事:千葉明・記事一覧を見る

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