高級ヘルメット世界首位:SHOEI好収益の源泉は、海外市場拡充!

2022年11月21日 16:35

 SHOEI(東証プライム)は、高級二輪車用ヘルメット製造で世界首位。私はバイク歴0年。全く興味を覚えたことのない企業だった。覗いてみたいと思ったのは、円安下で「海外売上高比率が高い会社は」を知りたいがためだった。前2021年9月期末で、約80%。かつ興味をそそられたのは、前期末までの10期間でSHOEIは、「8期増収・営業増益」だったという点。

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 祖業(1954年創業)はポリエステルの加工会社。オートバイのヘルメット製造に着手したのは1960年。68年に米国法人を設立後、海外展開に傾斜している。

 前9月期の「21.9%増収、28.4%経常増益、31.6%最終増益、20円増配82円配」に対し今期は、「11.3%増収、8.8%経常増益、7.1%最終増益、6円増配88円配」で立ち上がった。が、7月27日に、「21.8%増収(289億3000万円)、32.3%経常増益(80億6000万円)、28.2%最終増益(56億5000万円)、23円増配105円配」に上方修正。ちなみに第3四半期実績は「211億3300万円、64億5600万円、43億6900万円」。期末は乞うご期待というところだが・・・

 興味を覚えたのは、上方修正の理由。

 当然?「為替が予想レートより円安で推移」はカウントされていた。期初想定は「1米ドル:121.19円(前期比13.63円円安)」「1ユーロ:134.04円(5.73円円安)」。円安効果、と。

 だが修正理由で興味を覚えたのは「引き続き好調な受注に基づく生産能力増強が順調に推移し営業利益が前回予想比21.8%増、80億6000万円が見込める」としている点。そして経費減の要因として「海外出張や一部イベントの中止」とされていた点。「海外の足踏みにもかかわらず、(本業の利益を指す)営業利益増」と読み取れなくもない。

 しかし第3四半期の決算資料には、地域別売上高がこう記されている。

*「日本」: 前年同期比20.0%増収(44億9345万円)。「欧州」: 31.4%増収(90億4271万円)。「北米」: 100.6%増収(39億1466万円)。「オセアニア・南米」: 31.6%増収(5億3911万円)。唯一の減収は「アジア」で30.6%減収(13億8603万円)。

 なんでも頭のサイズに調整できるサポート体制も執られているとか。海外体制の充実で「稼ぐ力(営業利益力)」が整備された上に、円安効果も「オン」と捉えるべきだろう。

 仮に10年前にSHOEIの株を買い、今日まで保有していると修正済み株価のパフォーマンスは約20倍。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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