石井食品と千葉県の連携で改めて覚えた、「防災(非常)食」への備え
2022年11月11日 08:11
防災食・非常食を用意しておかなくては、と思いつつも私の家には備えられていない。世の家々はどうか。安全靴や安全作業着など「安全」に係る製品を手掛ける企業に、ミドリ安全がある。今年3月に「災害対策のための防災(非常)食」に関してこんな調査結果を発表している。対象は20歳から49歳の子供がいる母親。
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★「家族全員が3日以上対応できる量を備えている(14.9%)」「1~2日対応できる量を備えている(29.2%)」「備えてはいるが、家族全員が1日以上対応できない(12.0%)」と、「少しでも」を含め防災(非常)食を備蓄した人は56.1%。
★対して「いまは備えていない(11.9%)」「備えたことはない(26.9%)」が、計26.9%。
ミドリ安全では、「昨2021年に比べると7.5ポイント改善しているが、防災・非常食の備蓄の割合はまだまだ少ないという現状が見て取れる」と総括している。
データはいささか古いが2017年に出された、内閣府「防災に関する世論調査」によると「大地震に備えて食料や飲料水を用意している」という人の割合は45.7%。人口密度が高い地域では、「3日~7日×人数分」の備蓄が必要としている。
防災(非常)食に関する原稿をと思い立ったのは、製造過程で食品添加物を使用していない石井食品からのニュースリリースがキッカケだった。
『石井食品-千葉県と「災害時の物資供給等に関する協定」を締結』と題し配信された内容は要約すると、「物資の調達及び優先供給:災害時に千葉県に物資の優先供給」。千葉県の熊谷俊人知事の「県や市町村も非常食の備蓄はしているが、限りがある。石井食品の温かくおいしい製品が災害時に提供されることで被災者も元気づけられる」のコメントも記載されていた。
広報担当者によると「今回の締結に至る経緯」は、「2019年の台風15号及び19号の被災地(市原市・美波房総市等)へ、野菜を食べるお粥や食物アレルギーに配慮した非常食を独自に提供したのが発端だった」という。
石井食品は創業者の故石井毅一氏が「戦後の食糧難」のなか、東京湾の小魚類に着目し佃煮を製版したのが原点。という程度の知識は持ち合わせていたが、非常食についての知識は皆無。ホームページを覗いてみた。
「非常食A&B&C&リゾット3種セット」。いずれも火や水を使わず/スプーン付き/保存期間4年間。リゾット3種セットは加えて「食物アレルギー配慮」。
石井食品(東証スタンダード)の収益動向は厳しい。今3月期の計画も4.8%増収(92億5200万円)ながら「9300万円営業損失、1億500万円最終損失」。それだけになおさら今回の千葉県との協定は、評価に値する。(記事:千葉明・記事一覧を見る)