「お仏壇のはせがわ」も、葬儀に関する時代の変化に対応していた!
2022年10月4日 14:20
過日、「〇〇と申す墓石屋です。失礼ですがお墓は・・・」という電話があった。生まれ故郷の市営霊園に墓はある。一度、長男に相談したことがある。「車の免許証も返納したので、足が遠くなっている。どうしようか」と。「諸々俺が引き継ぐよ。俺の後はS(孫)がやるからそのままでいいんじゃないの」で私が入る墓の問題は、一段落。
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墓石屋から連絡を貰ってフッと考えたのは、「コロナ禍以降、家族葬なり葬儀の簡素化が進んでいるという。『お仏壇のはせがわの収益動向はどんな具合だろうか』」。
IR情報をチェックした。前2022年3月期は「11.0%増収、20.9%営業増益、228.0%の最終増益、3.5円増配の5.5円配」。いいじゃない、と受け止めた。
今期については「完全子会社を吸収合併し単体となるため期初計画は発表しない」としたが、第1四半期開示と同時に「6.0%の増収(209億円)、5.5%の営業増益(14億円)、43.4%の最終増益(10億円)、2円増配7・5円配」と発表。まずまずじゃないか、と捉えた。前記した「葬儀の在り様の変化」は影響していないということなのか!?
第1四半期の決算資料を読み込むと、こんな現実が見えてきた。
(I)宗教用具関連は、核家族化や生活様式・価値観の変化で購入商品の小型化・簡素化・単価下落が継続している。そうした中、ECでの商品購入という流れに対し(販売方法の)見直しを進めている。
(II)多様化する需要に対応するため、墓石事業では樹木葬の販売を開始した。一方、仏壇事業では設計家:隈研吾氏の手による仏壇『薄院』の発売を開始した。
時代の流れは十二分に承知している。
「I」では「“売り切り型”からの脱却」「手を合わせる機会の創造」をテーマに、供養領域だけでなく顧客の心豊かな生活(ピープルライフ)を支援する企業に進化していく、という文言に出会った。具体的にどんな展開を・・・と問い合わせた。CRMプロジェクトチームなる部署のY氏から、こんな答えが返ってきた。
「会員登録の顧客に『はせがわ公式アプリ』を通じ、時宜にかなった様々な情報を発信している。例えば『月命日のリマインド通知』は登録の命日の月命日が近づいた際の連絡、旬の食材を使った供え物を提案。『回忌法要のリマインド通知』は「何回忌」が近づいたことを伝え、滞りなく法要が営まれるように手伝いをしている。この他にもコンテンツの拡充を図っていく計画」。
はせがわ流の新時代への対応が始まっていた。(記事:千葉明・記事一覧を見る)