外国人持ち株比率が着実増の、西尾レントオールの何故
2022年9月16日 07:44
会社四季報:夏号が「巻頭ランキング」で、『外国人持ち株比率向上度ベスト100』を記載している。興味深くランキングを追った。
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何故なら「投資家主体別投資動向:東証1部」を確認すると、2021年の海外投資家売買動向は、低水準も「売り買い交錯」。だが今年に入っては「売り越し」基調。発表済みの8月までで2兆7000億円水準の売り越し。需給面で日本株が上昇基調に復帰できるか否かは、資金力を伴う外国人投資家の姿勢にかかっていると言って過言ではないからだ。
その意味で外国人投資家の持ち株比率が相応の水準にあり、且つここ1-2年も比率が上昇トレンドにある企業は投資対象として着目の値があると考える。
例えば、西尾レントオール(東証プライム、以下:西尾)。ランキング50位。前3月期末の外国人持ち株比率は29.8%。2020年3月末から8.2P、21年3月末比でも2.3P上昇している。建機やイベント分野に強いレンタル業者で、アジア・豪州でも存在感を示している。何故、外国人投資家は西尾への投資に前向きは姿勢を示すのか。
1つは、収益力であろう。2021年9月期は「7.0%増収、20.6%営業増益、37.2%最終増益、8円増配85円配」。そして今期も「5.1%増収(1700億3000万円)、5.8%営業増益(145億円)、1.9%最終増益(90億円)、13円増配98円配」で立ち上がり、開示済みの第3四半期は前年同期比で「6.9%増収、13.8%営業増益、16.1%最終増益」と着実な歩みを示している。
1つは、好配当。外国人投資家は配当に重きを置く。2011年9月期の配当:10円が、今期は98円予定。
1つは、中長期の株価パフォーマンス。過去9年半の分割等を勘案した修正値ベースで、約2.28倍という実績を残している。
そしていま1つは、レンタル商品の技術開発力も評価の対象になっていると捉えることが出来る。例えば「遠隔操縦(ラジコン)建設機械」。レンタルラジコン建機は、1991年の雲仙普賢岳の無人化施工現場で活躍(今なお第2次災害の危険地域で使われている)。が、その台数は100台に満たない。高額な改造費や使用現場が限られるなど、費用対効果がネックとなっていた。
対して西尾は雲仙普賢岳の復興工事に携わる中で、後付けが可能な「着脱式遠隔操縦システム」「無線画像送信システム」を自社開発。建機の遠隔操作に新たな道を切り開いた。
海外投資家(ファンド)は投資先選定に当たり専門機関に、「本1冊分ほどのレポートを求める」という。つまり微に入り細に至る調査の上で、中長期構えの投資対象を選択する。外国人持ち株比率の向上は、重要な投資基準といえよう。(記事:千葉明・記事一覧を見る)